小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

MBAを取ることに意味はあったのか

就活に追われた結果気づけば卒業から2ヶ月程度が過ぎてしまってますが、受験生時代から起算すると3年以上に及んだMBA取得について、総括したいと思います。

MBAに意味はあったのか。私の場合答えは簡単で、国も業界もロールも変わることが確定し、完全に非連続的な変化が人生にあったので、意味はあった、と即答出来ます。50年後に人生のターニング・ポイントがいつだったかを振り返るとすると、まず間違いなくMBAが含まれるでしょう。

一方、入学時を振り返るとアメリカに残るつもりは全く無く、日本でPE/コンサルといった仕事に就くことを考えていたので、MBA期間に考え方が大きく変わり、スキルセットが増えたことがアメリカ残留に繋がったのだと思います。その辺、この機会に整理しておきます。

自分の人事は自分でやる

過去記事でも触れたことがありますが、一番大きく変わった考え方の変化は、自分の働く場所や仕事内容、働く相手は自分で決めていく、というマインドセットになったことです。自分のPassion、得意なことに自覚的になり、それに基づいて身の振り方を決めていくというのは、Kelloggの学生は殆ど皆、呼吸の様にやっていることです。MBA前は商社での経験しか無かった自分ですが、MBA受験・授業・就活を通じて何度も内省をする機会があった為、少しずつ同じ価値観に染まってきたと感じます。

これは日本でもジョブ型のキャリアを積んでいる方等には当たり前のことだと思う一方で、自分にとっては大転換でした。商社時代は特に事前の摺合せや打診もなく異動先や海外トレーニーの派遣先は半ば決定事項として上司が通達してくる、という形でしたし、その点に強く違和感も持っていませんでした(先輩の人事を見てるので、予測ぐらいはしていましたが)。もちろん商社の中でも強かに根回しを行って上手く人事をコントロールしている人もいましたが、そんな人でも3枚のカードのどれを取るか、というレベルの話で、ジョブ型の世界観とはかけ離れていた様に思います。いずれにせよ、自分自身はMBAという荒療治なしにキャリア観を大きく変えることは無かったはずです。

とはいっても今時点で遠大で具体的なキャリアプランは持っていませんが、「海外で働くことや異なるバックグラウンドの人と働くのが好き」「お金儲けについて考えるのが好き」「こんがらがった事象を整理するのが好き」といった今後も変わらなさそうな自分の選好には自覚的になった上で、今後のキャリアを進めていければなと思います。

世の中の仕事の解像度が上がった

一つの会社の一つの部署しか知らない人間でしたが、MBAを通じて、世の中の仕事の理解度が格段に上がりました。インターンとExperiential learningを沢山した(コンサル3社、ヘッジファンド1社、スタートアップ1社、事業会社のデータ分析×3)のに加え、IBD、PE就活もしたので、各々何をしているか、稼ぎはどれぐらいか、どんなキャリアパスか、自分は向いているのかいないのか、あたりが語れる様にはなりました。

MBA無しで転職してたらきっとミスマッチがあった様な気がしますし、今後のキャリア設計にも活きてくる様に思います。

英語環境での対応力向上

2年間留学してるので当たり前ですが、英語は結構上手くなりました。定量的に測れませんが、同級生に日本人がいなかったこと、ファンドで通訳してたこと、アメリカ就活したこと等が重なり、結構改善幅大きい方だった気もします。当初はアメリカ人同級生が何言ってるかも殆ど分からない状態からスタートでしたが、アメリカでNetworkingやテクニカルなケース面接をまあ普通にこなせるぐらいにはなりましたし、アメリカ人ばかりのオフィスで仕事してもなんとかなるかな、と思える様になりました。「自分の人事は自分でやる」の内、働く場所を選ぶという点は、英語力アップなしには無理だっただろうなと思います。

沢山の同志ができた

一緒にヒーヒー言いながら就活したKelloggの同級生や先輩、日本人MBA同期、ISBやインターン先での出会い、NOLSで荒野をバックパックしたり、Japan Clubでイベントを企画した仲間等々、数多くの出会いに恵まれた2年間でした。そんなに社交的ではない自分ですが、両手で収まらないぐらいの人とは卒業後も世界の色んな場所でキャッチアップして、酒でも飲んで気楽に話せる中にはなれたと思います。

その他

Python/R/SQLあたりが一応書ける様になったこと、あと授業で学んだビジネス全般の知識(Strategy/Marketing/Finance…)も勿論MBAから得た学びです。

が、MBAを終えた今、まあその辺は正直本丸では無いなと感じます。MBAの本質は、キャリアチェンジ・精神の成熟・大人として過ごす2年間の夏休みといったところじゃないでしょうか。

MBAが高い買い物なのは間違いなく、商社時代にせこせこ貯めた貯金はとっくに吹き飛び借金も残ってますが、人生は激変しとりあえずこの先数年間も楽しみになりました。Kelloggには本当にありがとう、と言いたいです。