小市民日記@Kellogg MBA

Kellogg MBAでの日々とキャリアについて書きます

春学期の授業振り返り(後編)

春学期に履修した授業の振り返りということで、今回は前回の続きです。そういえば、意気揚々と履修したAsset Management PracticumというインベスターZ授業は、来期以降のRequirement含めた授業負荷を踏まえ、結局Dropしたので振り返り無しです。

Personal Leadership Insight

Kelloggの最人気授業の一つ。16人の少人数で、過去の人生経験、自分の強みやリーダーシップ、価値観、ビジョン等、多角的に自己内省するという授業。教授のコーチングや学生間のフィードバックも活発で、最もアメリカならでは、MBAならではを感じた授業でした。

授業名に反して扱うテーマはリーダーシップに限らず、大事にしている価値観や強み等を課題図書(本や記事抜粋)や教授・学生間のフィードバックから見出し、将来的な目標設定とアクションプランの策定をするという授業です。自分の得意不得意がクリアになったこと、また将来的にどんな仕事が出来てたら幸せか、と考える内に幾つかの具体的なアクションに繋がったので、非常に有益でした(キャリアの方向感を微修正し、今までと異なるタイプの方にコンタクトして話を聞いたり、サウナ総研に突如コンタクトして研究員になってみたり、妻からマネジメントに必要な共感力を養えと言われてNiziUを観たり等)。

あとこちらは副次的な効果ですが、クラスメイトのプレゼンテーションを見る機会に恵まれたので、自分のプレゼンの問題点や改善の方向感、みたいなのが掴めたのも良かったです。書いてみると簡単な話ですが、自信がない、見せ方に工夫が足りない、私見が少なくFact中心になっているあたりがプレゼン上手の人との差だと感じたので、今後は以下を気をつけようとと思います。

  • Scriptを必ず作り、繰り返し練習
  • 興味を惹くフックを作る(Python等のVisualization、動画や音楽、引用等)
  • ファクトを並べるよりも自分の私見を多く盛り込む
  • 事前に入念にテーマについて調査する

来学期以降、プレゼンの授業も履修して、outputの機会も持ちたいと思ってます。Small winを重ねていく中で自信がついていくものと思うので、上記を徹底して、満足のいくプレゼンを継続して出来る様になりたいです。

 Financial decisions

難易度高めのファイナンスのケースに毎週取り組む授業。トピックとしてはFinance 2のおさらいでしたが、理解があやふやだった部分の補強になったのが良かったです。こちらの授業の教授の素晴らしいところはポジションを明確にとるところで、AppleやTeslaの株価は明確にOvervalueされている、とのスタンスの方でした。DCF法から、株価を正当化するための前提を逆算していく頭の使い方は非常に勉強になりました(株価xドルとなるには、X%の売上成長が毎年見込める前提、等)。
細かいところには立ち入りませんが、主に以下について学びました。

  • 最適資本構成
    Debtを増やすメリット(Tax shield)とデメリット(bankruptcy cost)のインパクトを定量化し、様々な資本構成のシナリオ別に株価への影響を分析。
  • M&A
    DCF法、マルチプル法それぞれでの企業価値評価を学んだ。Free cash flowの計算、WACC又はAPVでのTax shield含めたvaluation、シナジーの影響、諸々含めた最終的な株価への影響を試算。

それなりの広さと深さでファイナンスを勉強できたので、今なら昔少し見て挫折したマッキンゼーのVauation等、重めのファイナンス本にも太刀打ちできる様になった気がします。

来学期以降、MBAをどう使っていくか

きちんと振り返ってまとめようと思いましたが、飲酒+深夜で眠いので、今日はこの辺で終わりたいと思います。。よくある座学にそろそろ飽きてきた部分もあるので座学はAnalyticsの道具を増やすような授業(アンケートの設計や機械学習の分析手法、マーケティングへの応用等)だけとりつつ、実践系に軸足を移したいと思ってます。Independent Studyで日本のスパ業界の海外展開についてAnalytics使って検討したり、引き続きExperiential Learningの授業をとったり、又は授業外で同級生と協力しつつPythonでサービスを作ったりコンペに出たりと、Analyticsを軸に自分のやりたいことを実現していく一年にしたいなと、朧げながら思ってます。

そろそろサマーインターンも始まり、そこで自分のやりたいこと、足りない部分が見えてくると思いますが、今時点ではそんな感じですかね。では。

春学期の授業振り返り(前編)

昨日(6/5)で春学期のすべての授業が終了、幸いにも今学期は全科目期末テストが無い為、MBAの1年目の授業を終えてあとは成績発表を待つのみとなりました。このタイミングで秋・冬と続けている授業の振り返りの春学期分を書いていきたいと思います。

Analytical Consulting Lab

所謂Experiential Learningの科目で、講義は最初の授業のみ、後はクライアントから問題意識を聞いた上でデータを受け取り、分析・提案をするという授業です。経験として得られること、考えさせられることは多々あったのですが、率直に言って自分自身の最終的な貢献度が低く、自身のパフォーマンスにガッカリした科目でした。

思ったより分析的な要素は少ない

機械学習の実践機会を期待して履修した科目でしたが、簡単なVisualization+せいぜい回帰分析程度で分析は事足りたのは少し残念でした(ほかグループのプレゼンを見ていても同様だったので、自分のクライアントだけの話ではなさそうでした)。

同じデータセットから得られる示唆は知れている中、差別化になるのはクライアントとのコミュニケーションとパワポぐらいですが、前者はネイティブのメンバー、後者はコンサル出身のメンバーがリードした為、自分が貢献できる場面を探しているうちにプロジェクトが終わっていた、というのが感想です。

チームメンバーとのコミュニケーションに苦労

私の英語力の問題もありますが、プロジェクトの進め方や授業へのコミットの強さの違いから、効果的にチームで動けない場面が多々ありました。分担したつもりがメンバーがやっていない、かと思えば思ってもいない論点を見つけてきてプレゼン直前に話し出す等、戸惑う場面が幾つかありました。最終プレゼンの直前で他メンバーに分担していたところがクライアントが最も重視している論点と分かり、彼らが最後の仕上げで帳尻を合わせている中、自分は議論に入れなかった、という形でプロジェクトが終わりました。

今後、海外でクライアントワークをする上での示唆

コンサル的な仕事をする場合、秀でた一芸で貢献できる場合を除き、コミュニケーションの重要度が極めて高いため、日本以外でやる場合はかなりハードルが上がるな、ということを実感した経験でした。

一方、自分の経験値やスキルセットが足りなかったのは事実で、次回Experiential Learningに入るときは、以下を意識していきたいと思いました。

・チーム内での分担に縛られず、担当外の分析、調査にも手を広げる

・計画的にスケジューリング出来る人は意外と少なく、全体のスケジュールから逆算してクライアントやチーム内でのスケジュールを決めていくだけでもValueがある

・分析を行う場合は、自分でデータセットを見つけてくる(TwitterやWeb Scraping)、又は自分でデータを作る(アンケート等)が出来るとかなり幅が広がる

3つ目のポイントはMarketing ResearchやCustomer Analytics、Digital Marketing等、関連授業を履修してスキルをつけておきたいと思います。

Retail Analytics and Pricing

スーパーや家電量販店等、小売業界でのデータ活用について、Pricing中心に学んでいくという授業。教授の工夫や熱意が随所に感じられる、素晴らしい授業でした。Rの基本的な使い方(Plot作成や集計、Regressionの方法)も学べますが、主眼は分析の設計やデータの解釈に置かれており、「MBAのAnalyticsの授業」色彩が強かった印象です(すなわち、Codeを書いて分析する人視点ではなく、誰かに指示して出来上がった分析を使う人の視点)。分析を設計・解釈する上でのお作法・心構えが学べたのは有益だったと思います。

ビジネスでデータ分析を使う上での心構え

・データの質に敏感になる

Good data wins everythingが教授の口癖で、素晴らしいデータを使った簡単な分析は、微妙なデータで精緻なモデルを組むよりも余程意味がある分析になると繰り返し仰っていました。主な学びは以下。

会社が元々持っているデータ(Opportunistic Data)か分析用に作ったデータ(Designed Data)か、それぞれどのような仮定が置かれているかを分析前に必ず精査する。例:複数のマクドナルドに新しい看板を設置したことの売上改善効果を分析する場合、複数店舗で看板以外の影響(競争環境等)は一定と仮定される

また、データはどの程度散らばりがあるか(Variability)が存在するかも重要。例えば、価格変化の売上への影響をみたいのに、データセット内で異なる価格のデータがあまり存在しない場合、精度の高い分析はできない。

回帰分析等を実施する前に、データの定義の確認、Plotや集計テーブルをまず作成してデータの傾向を掴む。

・Business Intuitionを大事にする

データ分析から、直感に反する全く新しい発見が出てくることは稀。感覚的におかしい結果が出た場合は、まず分析自体を疑う。

 

トピックとしては、主に以下について学びました。

・コンジョイント分析で顧客のWillingness to payを定量

・回帰分析から価格弾力性を計算し、利益を最大化する価格を特定

・因果関係の確立(大量のRandomized dataを使う手法、少量のデータをMatchingして条件を揃えた上で分析する手法等)

 

2授業だけで結構長くなったので、後編は別記事で書きたいと思います。

東京23区サウナ充実度ランキング

以前、「東京都内のサウナの分析」と題した記事の中で台東区こそがサウナーにとってベストと書きましたが、今回はエリア別の傾向を見た上で、23区内のランキングを見ていこうという記事です。

前回同様サウナイキタイ様のデータを使い、コロプレス図(エリア別に色を変えて数値の大小を可視化する手法)を作ってみました(データは2021年5月3日に取得したものです)。

都内サウナは西高東低、南高北低

まず、各区の店舗数で見ていくと、台東・板橋・大田等、下町のイメージが強い区が上位に並んでいます。地域密着型の銭湯が全体の店舗数の多さに貢献している、との仮説が立ちます。

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一方、サウナーからの評価を見ていくと違う景色が見えてきます。イキタイ(サウナイキタイ上で、当該サウナに行きたいと思っているユーザーの数)を人気度の代替指標として、地図上にマッピングした結果が以下です。

中央部にある台東・墨田の強さが目立ちますが、それを除くと23区南西部が粒揃いであることが分かります。店舗数別の順位と比較すると、渋谷・港・新宿・品川等、南西のターミナル駅を要する区が健闘する一方、足立区・北区等下町は大きく順位を下げており、人気施設は南西の都市部に多いことが読み取れます。

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サウナ充実度ランキング

ここまででざっくり全体の傾向を大まかに掴んだところで、イキタイ数のランキングと併せて各区の代表的な施設を載せておきます。今後どのエリアのサウナを開拓するか考える上での参考になれば幸いです。

1位:台東区(20231イキタイ)

北欧、サウナセンター、萩の湯、プレジデント、Shizuku上野駅前等

2位:豊島区(13499イキタイ)

かるまる、タイムズ・スパ・レスタ、妙法湯、東京染井温泉SAKURA等

3位:墨田区(12806イキタイ)

ニューウィング、黄金湯、江戸遊、押上温泉大黒湯等

4位:渋谷区(11362イキタイ)

マルシンスパ、改良湯、ドシー恵比寿、大黒湯等

5位:港区(8378イキタイ)

アスティル、アダムアンドイブ、サウナリゾートオリエンタル、南青山清水湯等

6位:品川区(7654イキタイ)

金春湯、武蔵小山温泉清水湯、お風呂の王様大井町店、戸越銀座温泉等

7位:新宿区(6153イキタイ)

テルマー湯、ソロサウナtune、第三玉の湯等

8位:大田区(5822イキタイ)

ますの湯、桜館、天然温泉平和島

9位:杉並区(5467イキタイ)

ゆ家わごころ吉の湯、荻窪天然温泉なごみの湯等

10位:世田谷区(4243イキタイ)

駒の湯、そしがや温泉21等

11位:中野区(3615イキタイ)

アクア東中野、松本湯等

12位:北区(3606イキタイ)

ロスコ、十條湯等

13位:千代田区(3597イキタイ)

RAKU SPA 1010 神田、神田セントラルホテル、水道橋サウナ&カプセルホテル アスカ等

14位:練馬区(3463イキタイ)

豊島園 庭の湯、久松湯等

15位:板橋区(3181イキタイ)

前野原温泉 さやの湯処、クアパレス藤等

16位:目黒区(3168イキタイ)

文化浴泉、光明泉等

17位:文京区(2621イキタイ)

Spa LaQua、春日の湯 ドーミーイン後楽園等

18位:江戸川区(2092イキタイ)

イーストランド、まねきの湯 等

19位:足立区(1943イキタイ)

大谷田温泉 明神の湯、大黒湯等

20位:江東区(1544イキタイ)

泉天空の湯 有明ガーデン、辰巳湯、お台場 大江戸温泉物語

21位:葛飾区(1386イキタイ)

レインボー新小岩店、東京天然温泉 古代の湯等

22位:中央区(1125イキタイ)

湊湯、軟水銭湯・月島温泉等

23位:荒川区(488イキタイ)

梅の湯、尾久ゆ〜ランド熊野前

M1グランプリ考察 - マヂカルラブリーの優勝はくじ運の産物だったか

Kelloggで受けた最初の授業、"Leadership and Organization"の中で、教授が人間が持つバイアスについて説明する回がありました。個人的に特に印象的だったのは、Eurovisionという毎年欧州各国が代表して歌唱パフォーマンスを披露する番組(欧州版紅白の様な番組?)にて、出演順が後になるほど勝率が高い傾向があるという話でした。Eurovisionを例に、「人は直前に見たパフォーマンスを高く評価する傾向がある」として、複数名が比較されるプレゼン/コンペの類は、なるべく後の順序を取りに行くべき、というのが教授からのメッセージでした。

eurovision.tv

後になるほど有利、というこの上なくシンプルな話に興味を惹かれ、日本でも同じ傾向が見られるのか調べたいと思い、パフォーマンス→投票で結果が決まる番組としてM1グランプリに思い当たりました。WikipediaからデータをExcelに落とし、平均順位を見てみたところ、やはり、出演順が後ろのほうが平均順位が高い傾向があることが判明しました。

さて、前置きが長くなりましたが、今回はPythonを使って、得点/順位への出番順の影響や、出番順を調整した時に結果はどうなるか、という点を分析していきたいと思います。分析データは前回同様Wikipediaより拝借しました。

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コンビ名/所属事務所がセットになっていたり、出番順/得点が1st、2ndで分かれていなかったりとデータが汚かったので、綺麗にするのに多少手間取りました。年によって審査員数が異なり1st roundの最高点が500点~1,000点までバラつきがあった為、全て700点満点に換算した上で分析を行いました。

3番手までは不利

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1stの出番毎の得点(700点換算)を見ていくと、やはり後半になるほど有利な傾向がある様です。一番平均が低い3番手と一番高い10番手では、28点もの差がありました(9人で開催している年がある為10番手はデータセットが同一ではない点には注意。2番手に高く9番手との比較でも22点の差があります)。興味深いのは、トップバッター不利説が指摘される一方、トップバッターだけではなく2番手、3番手も不利になっているところです。順序が番組側によって恣意的に決められているとは思いませんが、「4,5番の中盤でひと盛り上がりした後、9、10番手で最大の盛り上がりを見せる」というのは、所謂ドラマチックな展開の典型例といったところで、出来すぎな印象さえ受けます。

吉本有利説は本当か?

分析の前に巷で囁かれる噂を探していたところ、トップバッター不利説の他に吉本芸人の方が有利という説も見つかりました。

japan.techinsight.jp

所属事務所毎に平均順位を見てみると、確かに一定数出場がある大手事務所(吉本の他、ワタナベ、松竹、人力舎)で比較すると、吉本芸人のほうが平均的に得点がとれていると言えるかもしれません。とはいえ、出場者の111÷149 = 74%程度が吉本出身の大会なので、吉本有利を論じても仕方ない気がします。歴代優勝者を見ると、サンドウィッチマンフラットファイヴ)、ますだおかだ松竹芸能)、アンタッチャブル人力舎)と、他事務所からも3組優勝者が出ていました(近年は吉本ばかりなのは気になりますが)。

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マヂカルラブリーは1st落ち?

さて、ここからが本当にやりたかったことですが、1stの出番順を調整した上でランキングを出すと、順位はどの程度変動するのか見ていきたいと思います。そのために、「出番順を調整した予想点数」を計算した上、「(実際の点数)- (予想点数)=(超過点数 )」と定義、超過点数で順位をつけるということをしていきます。予想点数の計算方法はごく単純な重回帰分析で、1st得点(700点換算)を目的変数、参加大会(1-16回)と出番順を説明変数として実行しました。実行結果を各大会優勝者に絞って出力したのがこちら。

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1st得点順位=最終順位ではないので、1st得点順位と超過得点順位を比較していきます。番組のシステム上特に意味が大きいのは2020年のマヂカルラブリー、2015年のトレンディ・エンジェルの2組で、どちらも1st roundの得点では2番となっていますが、出演順を調整した超過得点の順位では4位となっています。2nd roundに進めるのは1st上位3組のみの為、出番順次第で2ndにいけない可能性があったことが示唆されています。その他、1st round1位からぶっちぎって優勝したサンドウィッチマンも調整後だと3位になっており、9番手という出番順の恩恵を大きく受けていた可能性があります。

大接戦と言われた2020年の順位を超過得点ベースの順位で見ていくと、1位:おいでやすこが、2位:見取り図、3位:ニューヨークとなっています。ニューヨークは2019年大会でトップバッターだったこともあり、出番順で不運を被っている代表例と言えるかもしれません。

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ここまでの分析で、全ての若手芸人にチャンスが与えられ、「面白いかどうか」という実力勝負で決まるM1に於いても、どうやら出番順という運に結果が影響されそうだ、ということが分かってきました。M1の外で仕事が取れるかという点はより一層実力より運が大きな影響を持つ様に想像されますし、改めて、不確実な世界でリスクをとって仕事をしている、芸人の皆様には畏敬の念を覚えました。

最後になりますが、こちらの記事で初めてPythonで重回帰分析を回してるので、ロジックやデータの使い方等、改善すべき点等ありましたら何でもコメント/Twitter等でご指摘頂けると嬉しいです。

Appendix:出番順、芸歴の影響は統計的に有意か

重回帰分析の結果もAppendixとして載せておきます。1stの出番、開催年のダミーデータの他、芸歴の年数も含めた上で実行しています(出番順と違って芸歴は芸人の力量の差を反映している可能性もあると思い、本文上の超過得点の分析では説明変数から外しています)。結果、出番順は2.3点程度、芸歴も2.1点程度の上乗せがあり、いずれも統計的に有意(P-valueが0.05以下)となっていました。ラストイヤーは有利なのか、敗者復活はどうか、等今後の分析可能性が浮かびますね。

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春学期の履修予定

Kelloggでは1年目の秋・冬学期が主に必修科目、1年目の春から選択科目が大半になるということで、春学期からは自由に履修ラインナップを組むことが可能になっています。幸いにも履修のためのBiddingが驚くほど上手く行き過ぎた結果、5科目全て入学時点で履修を決めていた科目となり、春学期は学業面が充実しそうです。

履修に先立ち、授業の内容、何を学びたいか等、こちらの記事で整理しておきたいと思います。

Asset Management Practicum(AMP)

リアルインベスターZ科目、Northwestern大学のファンドの一部をKelloggの学生が運用する授業です。今回私は4人一組で数億円を株式で運用するチームに、analystとして入ることとなりました(次回履修時には、portfolio managerとしてポートフォリオ全体に目配りする立場になるようです)。

米国の大手資産運用会社やヘッジファンドの幹部がゲストスピーカーとして来る他、自分のStock pitch(投資案)やStock update(投資銘柄の状況アップデート)に対して教授や学生からのフィードバックを受けられる貴重な機会となりそうです。Stock pitchでは事業のValuation(DCF、マルチプル)等Finance、Accountingの知識と、業界の競争環境や投資対象の事業の優位性の説明等Strategyの知識を横断的にアウトプットすることとで、かなり力が付きそうです。

Financial Decisions

4-6人一組のグループでひたすらFinanceのケースに毎週取り組む科目。資金調達や投資、M&A/LBO等広範なトピックを扱うことになる様です。M&A/LBOモデリングを通じて実務である程度手が動くレベルになることを期待して履修登録しました。AMPとの相乗効果もありそうなので、楽しみですね。

Analytical Consulting Lab(ACL

Data Analyticsを用いて企業/NPOの実際の課題を解決するという、AMP同様Experiential Learningの科目となります。他の学期だとMLBホワイトソックスMLBのベアーズ等がある模様で、今回の有名所だと製薬大手のバイエル薬品や大手ゲーム会社等がクライアントになっていました。

私自身はGoodwillという売上5,000億円規模の大きなNPOのAnalyticsチームと連携し、彼らの売上の予測モデルを構築するというプロジェクトに入ることになりました。チームの中ではPythonを使ってデータの加工やモデリングをカバーすることになりそうなので、企業の実際の課題をAnalyticsで解決する良い経験が積めそうです。

Retail Analytics and Pricing

こちらはRを使って小売企業のデータを分析する授業で、マクドナルドやBestbuyを題材に、小売企業の価格設定について学んでいく予定です。Pythonでないのが悔やまれますが(KelloggのAnalytics授業はなぜかRばかり)、分析の流れや手法は基本的に共通しているはずなので、楽しみにしています。こちらもACLと相乗効果が出そうです。

Personal Leadership Insight

Kelloggの最人気授業の一つ。16人という少人数の履修者から更に小さい8人グループを作り、自分の過去の経験についてFBを受けることを通じて自身のリーダーシップスタイル、強み/弱み等を明らかにしていくという授業です。

Academic AdvisorからFinance/Analyticsだけではなくソフトスキルの授業も取りなさいと叱咤されたこと、また2年生からインターンの前に履修しておいて非常に有益だったと聞いたことから、履修を決定しました。初めての完全In-person授業で、学生同士で密なコミュニケーションが取れそうなのも(少し不安ですが)楽しみです。

全体を通じて

全授業、Kelloggらしく周囲と協働する機会に恵まれそうなので、Globalなチームの中で役割を発揮できる様に頑張りたいです。冬学期までで、チームのアウトプットに貢献すること自体はできるようになった気がしますが、周囲をFacilitateしたりスケジューリングしたりと、チームのリーダーの役割はなかなか出来ていないのが現状です。他のメンバーのやり方を見ながら、自分自身も周りをリードする様な役割を担うようになるのが今学期の目標です。

冬学期の授業振り返り

冬学期の期末試験終了→NOLS trip(春休み)と怒涛の日々を過ごしていた為遅ればせになりましたが、先学期履修した授業について振り返っていきたいと思います。全体的に秋学期に比べて授業に身が入らなかったというのが正直な感想で、以下辺りが原因に思います。

  1. 最初の学期だった秋学期と比べて、どれぐらいの投入量で最低限の成績(B)が取得できるか分かり、味をしめた
  2. 学期前半はRecruitingに時間をとられ、後半はPythonにドハマりした
  3. Core科目中心のため、授業内容に必ずしも強い関心がない

まあ色々説明しようはあるのですが、結局は言い訳なので、来学期はもう少しタイムマネジメントを上手く出来ればなと思います。特に、来学期以降は選択科目Onlyになるので、基本的には全科目自分の関心領域で揃えることが出来そうなので。

Finance Ⅱ

今学期一番面白かった+力をいれて勉強したのがこちらの科目。NPVとは~という基礎概念から始まったFinance 1と比べて、実際の企業の意思決定を考える上での理論的なフレームワークを提示してくれる授業で、かなり楽しく勉強できました。深さとしても、日本で読んだことのある『道具としてのファイナンス』等平易な書籍と比べると、広く深く学べた感があり、有益だったと思います。今後M&Aや自社株買い等の記事を読む時に、意思決定のポイントについて当たりをつけるぐらいは出来るかな、という印象です。

ヘッドラインのみですが、以下トピックについて勉強しました。

Marketing Management

初回授業で教授が「他のGraduate schoolの学生や大抵の企業のマーケティング担当者よりも詳しくなってもらう」と宣言する等、Kelloggのマーケティングはやはりかなり力が入っている印象。授業に対する学生からのFeedbackが奨励され、実際にそれが取り入れられる(毎週Recapのメールが来る、Breakout roomが高頻度で作られ、ディスカッションの機会が豊富)等、授業運営という点でも感心させられました。

内容は面白かったのですが、正直思った以上に定性的だなという印象で、Marketingの実務担当者の思考プロセス、検討ポイントをケースと共に辿っていくような構成になっていました。必修科目ということで、Analyticalに意思決定をしていく授業は選択科目でカバー、ということのようです。

とはいえ、"I hate lowering price" 「二兎を追わず明確なターゲットを追え」等の基本メッセージは非常に参考になりましたし、顧客のセグメンテーション、ターゲット選定、ポジショニング等を実務の視点から学べたのは貴重だったと思います。

Operation Management

工場での生産工程に留まらず、飲食店や小売店でのプロセス改善を考える科目。Bottleneckへの注力や統計的な生産プロセス管理等内容面では新鮮なものが多くグループワークはかなり楽しめましたが、期末試験では力尽きました。Marketing、Strategy、Finance等と違って日本語で同内容を扱う書籍が見つからず、MBAにユニークな科目という側面が強かった様に見受けられ、その意味ではもっと頑張れば良かったなとやや反省しています。

Negotiation

最後は人気科目のNegotiation。毎週交渉のお題が与えられ、個人/グループで相手方との落とし所を探り、そのDebriefを授業中に行うという形で構成されていました。

Best Alternative Option(BATNA)を必ず持っておく、交渉相手のBATNAや交渉動機、Priorityを質問を通じ明らかにしていく等、何かを交渉するときの基本的な考え方を学びました。授業内で読んだ記事によると、交渉の成功率は多くの人が考えるよりも遥かに高いとのことなので、駄目もとでもとりあえず声を上げてみる、という点も今後意識したいと思いました。

全体を通じて

投下時間は前学期よりも少なくなったものの、英語が上達したことと形式に慣れてきたことで、授業自体にはCatch up出来るようになってきている気がします。グループワークもきちんと準備して、アウトプットを主導できる場面が増えてきているので、今後は答えを披露して満足するだけではなく、チームのFacilitationが出来るようになればいいな、と思います。

Core科目は冬学期で終了。春学期からは興味のあるElectiveだけを履修していくことになるので、もう少し授業に注力していけるかな、と期待しています。

NOLS Trip

春休みに1週間程、NOLS(National Outdoor Leadership School)というNPOが企画している旅行に参加してきました。

The Leader in Wilderness Education

タイ人の友人に誘われて軽い気持ちで参加登録したものですが、渇きを潤す為に水溜りを探したり20キロのバックパックを担いで行軍する等、大自然の中でのサバイバル生活という得難い経験が出来たので、記事にまとめておこうと思います。

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概要

NOLSは米国内の学生(高校生〜ビジネススクール)を主な対象として、自然の中での生活を通じたリーダーシップ養成をミッションに掲げてに活動している団体です。イベントは山岳地帯や砂漠、氷河等世界各地で企画され、参加者は1週間〜半年程度の期間共同生活をすることになります(Gap yearを利用する人が多いとのことでしたが、Undergradの中には単位を出すところもあると聞きました)。

今回私は、3/20-27の期間で、ユタ州南東部の複数の渓谷(Long canyon、Cowboy canyon等)に行ってきました。これらはロッジやトイレ等来訪者向けの設備が整備されたFrontcountryとは異なり、Backcountryと呼ばれるほぼ手付かずの大自然で、衣食住全て自分達で賄う必要があります。こちらを13名のKellogg生と、3名のNOLS instructorで訪問してきました。

苦労したこと

・高重量の荷物を担いでのトレッキング

コース期間は毎日4-5キロ程度離れたキャンプ地を転々と移動していくこととなりますが、食料、水、衣服、調理器具やテント等を詰めて20kg程度になったバックパックを担いで動くこととなります。
Canyonはアップダウンが激しく、舗装されていない道なき道、時には岩場を進むこととなるため、かなりの重労働です。更にはランチタイムを取らず、空腹はドライフルーツ等で満たしながら突き進むことになるため、精神的、肉体的に相応の負荷がかかりました(NO Lunch SchoolでNOLSだと揶揄されることもあると聞きました)。

・衛生面

トイレは木陰に穴を掘って埋める、シャワーは当然無し(自分は持参したアルコールの除菌シートで体を拭いて対応)、水溜りの水を浄化して飲む等、日常生活との衛生面でのギャップがかなりありました。個人的に特に辛かったのは、テント内でコンタクトレンズを変えようとしても砂がどうしても侵入してくる為、毎日装着時に涙が止まらないのがストレスでした。

・激しい気候変動

今回の行動エリアの標高は大凡2,000メートル前後、昼は半袖で動ける日もありながら、夜は氷点下となる日が殆ど。Canyonの気候変化は本当に激しく、期間中に晴天、曇天、雨、雪、ひょう、あられの全てを経験しました。
雨風を凌ぐ木々も少なく、暴風が吹き荒れ雪がテントの中に侵入する中、テントのジップが壊れた夜は泣きそうになりました(テントを共にしたタイ人同級生が「お母さんに教えてもらった技」でペンチを使って直してくれました)。

こういった苦難を同級生と共にする中で、ストレス耐性が高まった気がすると共に、友情が深まった様に思います。

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良かったこと

・in-personでの学生同士の交流

旅行前にCivilizationから離れろ、との指示があり、学生はスマホ等通信機器を持たずに参加しました。Zoom中心の生活だったのが逆の極へと一転、四六時中顔を合わせて暮らす生活が送れたのは大変貴重な経験だったと思います。 特に、私自身の交友関係は留学生中心、アメリカ人学生のコミュニティにあまり入れていなかった中、「アメリカ人学生は国外に目を向けてくれていないのではないか」とやや被害妄想じみた距離感を感じていたのが、今回の旅行で大きく考えが変わりました。
ある日、1人の学生が「日本語を教えてくれ」と来たので、(今思うと相当雑ですが)日本人は「どうも」って言いながらお辞儀しとけば上手く解釈してくれると伝えると何故かこれが流行り、皆でどうもと言い合う光景が何度も見られました。その他にも、「JapanのKeiretsu(財閥)って一体なんだ?」と、日本に興味を持って話題を振ってきてくれる等、フレンドリーなメンバーに恵まれました。
接点の少ないコミュニティに対しては大味すぎる一般化をしてしまうのが人間の性だと思いますが、アメリカ人学生個々人の様々な人間性に触れたことで、彼らのことをより深く知りたいと思うようになりました。そして、今まで彼らのコミュニティに入る努力を怠っていたことを反省しました。

・英語でのコミュニケーション能力の改善

8日間に渡り完全に日本語から離れ、全てのコミュニケーションを英語で行っていた為、英語能力に相応の改善があったと感じます。日記も英語でつけ、英語で考えることを徹底していた為か、期間中は夢まで英語になりました。
それ以上に大事な点として、現地学生とのコミュニケーションに示唆が得られたのが個人的には大きな収穫でした。ハイキング中、一度も会話したことが無かった1人の学生が「第二次世界大戦での日本軍について、日本でどのように教えられているのか」と、いきなりcontroversialな話題を放り込んできたことがありました。少し話してみると、アメリカは各方面への配慮の為センシティブな話題を回避する傾向があるが、逃げずに真っ直ぐ目を見て話せば腹を割った話が出来る様になるというのが、彼の信念とのことでした。勿論礼節を保つのが前提ですし、それでも聞きづらいこともありますが、彼の話を聞いてからはこれまで躊躇していた話題にも踏み込んでいくようにしました。結果、アメリカ人学生との関係が深まったように思います。

アメリカ流のリーダーシップ教育

日中のハイキングは5-6人が1グループとなって行われますが、毎回別の人がリーダーとしてルート設定や体調/時間の管理等を担当することになります。場面場面でinstructorからチームとしての意思決定の方法論やリーダーシップについて話があり、大変勉強になりました。自分自身は地図を読むのが苦手な為リーダーを務めるのか不安だと相談したところ、”Leadership is about using the resources available to you”と、自分自身で抱え込まないように助言を受け、ハッとさせられることがありました。
それ以外にも、アメリカ流のリーダーシップ教育で揉まれた同級生がどの様にメンバーを鼓舞し、目標達成していくのか間近に見ることが出来たのは大変貴重な経験でした。 また、上述のタイ人の友人は、持参した一眼レフカメラでカメラマンを積極的に買って出る、怪我をした人に自分のアンメルツヨコヨコを塗ることを持ちかける等、弁が立たない中でも存分に存在感を発揮していて、彼の姿勢からも学ぶものがありました。

大自然の中でのサバイバル能力

バックパックと身一つだけで1週間生活し、水分の調達や料理、最大限荷物を詰める為のパッキング技術、地図の読み方やハイキング中のテクニック等、学びは多々ありました(次どこで使うかは不明ですが)。

・圧巻の景観

最後に、見渡す限り果てしなく広がるcanyonの美しい景観を楽しむことが出来たことは、一生の思い出になりました。特に、canyonの底から見上げた無数の星は、忘れられない景色になりました。ひとしきり景色を見た後でテントに戻ると、上述のタイ人の同級生から、「カメラを持っていない時は数十秒かけてゆっくり瞼を閉じ、閉じた後の瞼の裏に景色を焼き付けるように念じれば、その光景は死ぬまで記憶に残る」と教えてもらい、再び外に出て景色を目に焼き付ける、ということもありました。 その時見た夜空は、写真には残っていませんが、MBA卒業後も忘れられない景色になる気がします。