Kellogg MBA 小市民ブログ

Kellogg MBAでの日々とデータ分析、サウナを中心に書いてます

インドのカースト制度と受験事情から考える、平等な教育システム

海外で過ごす中で、アジア人の教育にかける熱と、序列・Prestiageみたいなものに対する感度は他の人種を明らかに上回っていると感じることが何度かありました。アメリカではアジア系の親のことをTiger parentsと称し、子供がテストで良い点を取らないと我慢ならない、とのステレオタイプがありますが、概ね当たっているのではないかと思います。

インドはまさにTiger parents的世界観の典型で、ISBに来る前、Kelloggのインド人同級生のお父さんに交換留学する旨を話したところ、「ああ、インドで(IIMに次ぐ)2番目のビジネススクールだよね」と即答されました。ISBの開校は20年前ぐらい、且つNY在住が長いとのことでご本人にも子供にも関係無いはずですが、国内外のトップ校の序列については、アップデートされて頭に入っている様で、これがTiger parents…と驚かされた経験の一つです。今日はそんな、インドの受験事情についてのお話です。

Reservationという仕組み

インドの受験事情をISBの同級生と話す中で、真っ先に言及されるのがReservationの話です。Reservationとは、大学や政府機関の就職にあたり、所属カーストや家庭の所得水準に応じて割り当てられている枠のことです。仕組みについては、以下サイトに分かりやすくまとまっていました。

以下表の内、SC(Scheduled Castes)・ST(Scheduled Tribes)はカーストシステムの枠外に位置づけられて差別を受けていた人々、OBC(Other Backward Class)は低カーストで差別を受けてきたものの、SCには属さない人々を指します(EWS:Economically Weaker Sectionはカースト上はReservationの対象とならない、貧しい人々の枠)。カーストに基づく枠が49.5%とほぼ半分、所得に基づくEWSも足して、インドでは59.5%が純粋な学力競争だけでは決まらない枠となっています(更に、州によってはもっと枠が大きいケースもある様です)。

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(引用元:Clearias)

これらは政府関連の職業の他、日本で言う国立大学(Government Educational Institution)にも適用されるため、日本でも知名度の高いIITや、文系版IITであるIIMでも適用されます。日本で言えば東大や京大の枠の60%弱が枠取りされている様なもので、凄まじい話だと思います。

ISBはと言うと、私立の学校の為Researvationは無く、それだけに表立って話題に挙げやすい、という面もある気がします。ルームメイトにReservationについてどう思う?、と聞いたときは「They're not dumb, but…」と、かなり複雑な胸中を語ってくれました。ネットの掲示板を見てみても、以下なんかでは「Low IQのSC/STが入学している」「SC/STはFailの確率が顕著に高い」と、かなり強い言葉での批判が見られます。

インド以外の受験事情

特定のバックグラウンドに基づいて優遇する、という考え方は日本ではあまり馴染みが無く、例えば東京との教育格差が大きい県や、所得が少ない人を優遇する、という議論がなされているのを、私個人は聞いたことがないです。「親ガチャ」なんて言葉が流行したり、学歴フィルターの存在が話題になったりするのも、「全員に同様の機会が与えられるべき」という考え方が根強いことの裏返しではないでしょうか。しかし、インド以外にもGDPが大きい国の受験制度を見ていくと、寧ろ日本が珍しい様にさえ思われます。

米国は人種に基づくAffirmative Actionが有名ですが、大学関係者の子息は顕著にトップ大学への合格率が高いこと等が指摘されています。

中国でも、大学の枠は生まれた省に応じて決まっており、北京・上海といった大都市は北京・清華といったトップ大学の合格率が高い一方、江蘇省での受験は「地獄式」等と称され、極めて難易度が高い様です。

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生まれによる受験時の取り扱いの違いをどう考えるか

この様に、インド含めて色んな国の受験事情を見ていくと、基本的に受験者全員が同じ試験を受け、同じ合格点で評価される日本は寧ろ珍しいことが分かります。私自身、日本の教育システムで育ってきた人間なので他国の話を聞く度に違和感を覚えてしまうのですが、今は、「枠」が存在する背景や社会的な意義を考えて、個別に考える必要があると思っています。アメリカの黒人差別やインドに於ける被差別カースト等、歴史的に不利な立場に置かれ、経済的にも困窮しているセグメントへの是正措置としての「枠」と、既得権益的で不合理な「枠」については、きちんと区別する必要があると感じます。インドについて言えば、ここで目にする凄まじい貧富の格差や、カーストと職業が紐付き人間の価値自体にランク付けがされている様にも感じる差別を目撃した身として、Reservationの存在はやむを得ないものかと思います。

他国の事例を見ていくと、自分自身は日本に生まれたことを幸運に思う必要があると改めて思わされます。地方の中流家庭に育ち、そこそこテストが得意というだけで東大や海外MBAという機会を得ましたが、それは当然のものとして享受すべきことではないと思います。また、各国それぞれに差別とその是正に関わる歴史があると考えると、そういったものに比較的無頓着な人間であることを自覚して、海外の人と接する時には言葉に気をつけていきたいです。

インド人についての仮説・疑問

今後のインド人との会話やブログ記事のネタとして、こちらに来てから感じた疑問、仮説をメモ書きにしておきます。読者の方でもし答えを持っている方がいらっしゃればコメントやTwitter等で教えて頂けると嬉しいです。

  • 国民性
    • なぜ時間にルーズな人が多いのか
      • 急速に工業化が進展したものの農業中心の社会で、時間に関するシビアさが異なる為?
      • ヒンドゥー教に関連する考え方が存在する?
    • エリート層は雄弁で、コミュニケーションに長けた人が多いのはなぜか
      • インドでは地域が違えば母語、文化が大きく異なる為、多様性の中でコミュニケーションを取る機会が豊富な為?
    • 言語・文化が多様で地域ごとに異なる歴史がある中で、「インド人」としてのアイデンティティはどの様に養われていると考えるか
  • 教育システム
    • カーストに基づくReservationの存在についてどの様に考えるか
    • 受験プロセスの中で、最も大変なのは何歳時点の選抜で、どの様な選考が課されるのか
    • 海外大学への進学や移住は、人生のどのポイントで意識し始めるのか
  • キャリア観
    • 画一的な「成功観」(プロファームやPM就職)が学生内で共有されているのは何故だと考えるか
  •  経済
    • 主力産業(IT、ジェネリック医薬品)は安価なアウトソース先という側面があるが、コスト面以外で今後リーダーシップを取る産業はどの産業か

【駐在員/留学生向け】インドで本当に役に立つアプリ、サイト

新年あけましておめでとうございます。ノンストップで授業があり最高気温も30度弱のため全く年末感がなく気づけば年が明けていた、という感覚です。インドに来てから時の流れが加速している気もします。ま、いいんですが。

さて、「インドで本当に役に立つアプリ、サイト」と銘打ちましたが、実感としてインドに住む人にとって有益なアプリについての日本語情報は少ないです。その背景として、①元々インドに居住する日本人が少ない(情報は旅行者情報中心)②コロナ以降、居住者が一層減少 ③IT周りは変化が激しい、あたりが組み合わさって、在住者が使っている情報がWebに出てない、ということと思われます。まだ来て1ヶ月ではありますが、こちらに来てから同級生や駐在員に便利アプリ・サイトを共有して頂いて生活が快適になっているので、簡単にまとめておきます。

Swiggy/Zomato
Swiggy Food Order & Delivery

Swiggy Food Order & Delivery

  • BUNDL TECHNOLOGIES PRIVATE LIMITED
  • Food & Drink
  • Free
Zomato: Food Delivery & Dining

Zomato: Food Delivery & Dining

  • Zomato Media Pvt. Ltd.
  • Food & Drink
  • Free

まずは大定番ですが、SwiggyとZomato。日本におけるUbereatsや出前館の様なアプリです。これが無ければ毎日学食で食事していたと思うとゾッとします。2022年1月現在、Hyderabadでの相場感としては、ローカルフードであれば配送料込みで150ルピ-から250ルピー(200円から400円程度)、日本食(もどき)やイタリアン(まがい)等少し洒落たものを頼むと500ルピーから700ルピー(750円から1,000円)ぐらいの感覚です。

Swiggyは食材や生活用品も注文可能、しかも最寄りのスーパーから買って持ってくる為20−30分程度で届くという爆速で、大変重宝しています(Zomatoは同サービスから最近撤退)。

Bigbasket

Swiggy便利だけど品薄のときあるよな、と同級生にこぼしたところ、薦められたアプリ。まだ私自身は使ってないですが、確かに見た感じSwiggyに比べて生鮮食品はかなり充実している様に思われます。

bigbasket - Grocery Delivery

bigbasket - Grocery Delivery

  • BigBasket.com
  • Shopping
  • Free
アラハバード有機農業組合

デリー・グルガオンでは美味しい日本食店や日本スーパーがあるとの夢のような話を聞きますが、それ以外のインドの都市でまともな日本料理にありつくのは至難の業です。当地駐在員の方から、日本米を入手したければここ!と、アラハバード有機農業組合という団体を紹介して頂きました。メールで注文できるみたいです。

MAIN DISH

こちらも駐在員に教えて頂いたサイト。例によって私は未使用ですが、豚肉や日本の調味料等、インドでは入手困難な日本の物品を買えるみたいです。

移動

Uber

ご存知Uber。インドでもバリバリ使えます。他の国と違う点として普通の乗用車以外のオプションがあり、リクシャー(UberAuto)やバイク(Moto)も表示され、値段もかなり違います。Motoでは、クラクションが鳴り響き時に牛や豚が道路を横切る、カオスなインドの道路を間近で経験できて、かなりエキサイティングです。街中でリクシャーを捕まえると必ずと行ってよいほどドライバーが吹っ掛けて来て面倒なので、リクシャーに乗るにしてもUber経由で前払いすることをお勧めします(旅行者なら値段交渉を楽しむ、というのも良いと思いますが)。

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買い物

Himalaya

薬やシャンプー等の生活用品を買うなら、Himalayaです。二日酔い対策の薬(Party Smart)、ハンドクリーム(Age defining hand cream)、不眠薬(Ashvaganda)が日本人コミュニティで好評と聞き、先日即購入しました。

その他

Truecaller

訳分かんない電話が毎日大量に来て困るとインド人の友人に伝えたところ、薦められたのがこちらのアプリ。Spam系の電話についてはかかってきた時点で「Spam」と表示されることとなり、無駄な時間を消費することを防止できます。

Truecaller: Block spam calls

Truecaller: Block spam calls

  • True Software Scandinavia AB
  • Utilities
  • Free

その他、Communication系はインド人に聞かれた時にインストールすればそれで良いと思いますが、WhatsappかTelegramを使うことが多いです。また、Google系やAmazon系等、グローバルアプリはインドでも変わらず有用なので、その辺りも引き続き活用すれば良いかと思います。

相手は決まっていないけど、1年後には結婚する同級生の話

先日、インドのAmazonで購入したベジタリアン仕様のボンカレーを同級生の部屋で食べている時、家主のプリヤンカ(仮名)が「I will marry in the next December」と話し始めた。インド就活の佳境は12−1月、他の学生の多くが3科目だけの履修に留める中、5科目を履修してDean's list入りを狙う勉強熱心なインド人女子で、彼氏がいるとも聞いていなかったので、正直意外だった。「Congrats! 相手はどんな人?」と返すと、結婚することだけが決まっており、相手にはまだ会ってもいないし何も決めていない、と返ってきた。そこで漸く、彼女がArranged Marriage(お見合い結婚)を予定していることが分かった。

「もう良い歳だから、両親が縁談を進めることを決めたの」と話す彼女は26歳。日本であれば結婚をことさらに急ぐ年齢でもないが、インド女性の平均結婚年齢は22歳。高学歴、キャリア志向の女性は平均より結婚は遅いが、26歳はインドでは「良い歳」である様だった。来年3月に交換留学先の韓国からインドに戻ると、両親による婿候補紹介に始まり、結婚に向けて怒涛のスケジュールが組まれていくとのことで、なんとなくベルトコンベアを進む工場の様な、工業的なプロセスを想起した。

「でも、良い面もあると思ってるの」

MBAに通うぐらいの年齢の人でも、日本人で、お見合い結婚を身近に感じている人はあんまりいない。厚労省のデータでも、1960年代には恋愛結婚がお見合い結婚を上回っていた様なので、祖父母の世代でいるかも、というレベルだろう。

平成27年版厚生労働白書 - 人口減少社会を考える - |厚生労働省

一方インドでは未だに結婚の8割はお見合いで、大恋愛の末に結婚するインド映画と現実は乖離している。「なんで?」というこちらの疑問を察したのか、プリヤンカが話し続ける。

「私の家は、保守的な家庭なの。結婚相手は男なら誰でもいいなんてことはなくて、同じ宗教(ヒンドゥー教)は当然として、同じ第一言語テルグ語)、同じ地域の出身(Hyderabad近辺)、同じレベルの教育(Master以上)、そして何より同じカーストである必要があるの」

正確な数値は分からないが、こうした要素の掛け算をクリアできるのは、インド人男性の0.1%もいないだろう。自由恋愛で出会った人をチェックリストで判定していくのは非現実的で、最初から条件に合致する人を紹介してくるようお見合い業者に頼むほうが、遥かに効率的、という判断でお見合いが選ばれたのだと思われる。

「でも、良い面もあると思ってるの。男の子と付き合っている友達の話を聞いていて、彼氏と喧嘩した、仲直りした、付き合った記念日を一緒に祝ったなんて、楽しいかもしれないけど、私にはそんな時間はないと思う。ISBの前は仕事で忙しかったし、今は勉強に集中したい。お見合いが一番省エネで結婚できるから、私はそれで良いかなって」

比較的恋愛結婚が多いと言われる都市部でも未だに7割以上がArranged Marriageなのは、伝統を引き継ぎたい親世代の意向と、急発展する経済にあって良いキャリアを築きたいという子世代の意向が合致しているからなのかもしれない。

豪華絢爛な結婚式の裏側には、色んな思惑があるんですね。

(こちらは先日出席した、友人の友人(=即ち他人)の結婚式の画像)

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機械学習で野球選手の年俸を推定する

最近、久々に『マネーボール』という映画を観ました。メジャーリーグの弱小球団、オークランド・アスレチックスがデータサイエンスを活用して、リーグ最多勝を獲得するというお話です。

映画を観ていて面白いコンセプトだなと思ったのは、「選手の価値を定量化する」という考え方です。リーグを代表するスラッガーを獲得できない時、ブラピは平凡な選手2名の名前を挙げ、彼ら2人の価値を足し合わせるとスラッガーと同等になる、と言います。資金難のアスレチックスを躍進させたのはこの考え方で、勝利への貢献度を元に各選手の価値を年俸に換算した上で、実際の年俸に比べて貢献度が高い(=割安な選手)を獲得、低い選手を放出するという、大胆な打ち手を打っていきました。

ということで今回は、日本のプロ野球選手の年俸を予測するモデルを作ってみたいと思います。野球もセイバーメトリクスも大した知見が無いのでマネーボールみたいに「勝利への貢献度」を定量化するのは難しいですが、プロ野球界の一般的な年俸設定に対して、割高/割安になっている選手の特定を目指したいと思います。

野球選手の年俸、成績のデータはプロ野球データFreak様より取得、Codeは以下Githubに一式アップロードしております。

分析内容

  • 機械学習モデル:Light GBM
  • モデルの学習(Train data):2012年〜2020年の年俸を2009年〜2019年のデータを使って予測(例えば、2020年の年俸は17〜19年の成績を元に予測)
  • 予測対象(Test data):2021年の年俸を予測
  • 使用したデータ
    • 共通項目:予測対象の年、年齢、プロ野球歴(年数)、出身(国内 or 海外)
    • 打者:ポジション、打率(AVG)、試合数(game)、打席数(PA)、打数(At_bat)、安打(hit)、HR、打点(RBI)、盗塁(steal)、四球(4ball)、死球(dead_ball)、三振(strikeout)、バント(bunt)、併殺打GDP)、出塁率OBP)、長打率SLG)、OPS、RC27
    • 投手:防御率(ERA)、試合数(game)、勝数(win)、敗数(lose)、セーブ(save)、ホールド(hold)、投球回(inning)、奪三振(strikeout)、失点(R)、自責点(ER)、WHIP、DIPS

分析結果

打者

予測年俸からの上振れTop 5

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予測年俸からの下振れTop 5

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重要度が大きい特徴量

f:id:shoshimin:20211220130517p:plainRMSE は7096.01、R2は0.72

投手

予測年俸からの上振れTop 5

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予測年俸からの下振れTop 5

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重要度が大きい特徴量f:id:shoshimin:20211220130407p:plainRMSEは8251.72、R2は0.50

分析から示唆されること

  • 上振れ(予測値よりも年俸が高い選手)
    • チームの顔となる選手が多い
      菅野選手、千賀選手、青木選手等、チームを代表する看板選手は過去3年の成績+年齢等から予測される年俸よりも高い年俸を得ている傾向があるようです。モデルには獲得タイトル(最多勝最優秀防御率)を含んでいない為、タイトル獲得有無をモデルに組み込むと精度が上がる可能性があることが示唆されます。
      また、人気度という点でグッズ売上やメディア露出を通じてチームへ貢献している面もあるでしょうから、メディア出演数やグッズの売れ行きをデータで取れると精度が向上するかもしれません。あとは、FA権もモデルに組み込むべきだったかもしれません。
    • 貢献年数が長い
      1つ目とも関連しますが、菅野選手・青木選手・千賀選手等は長きに渡る活躍が評価されて年俸が釣り上がっている可能性があります。恐らく一度下がった年俸は下がり辛い傾向があると考えると、長いキャリアを通じて年俸が上がってきたベテラン選手は、直近3年の成績以上に高い年俸を得ていることが示唆されます。
    • 所属チームがビッグチーム
      上位陣の顔ぶれを見ると、ソフトバンクや巨人といった、資金力がある強豪チームがあり、これらのチームは球界平均よりも高い年俸を提示して選手を引きつけている可能性が示唆されます(勿論、長きに渡りパフォーマンスが良い選手が多い、等他の要素の影響も考えられますが)。
  • 下振れ(予測値よりも年俸が低い選手)
    上振れで指摘した事項の反対のことは当然当てはまりますが、それ以外だと以下が示唆されます。
    • (投手)中継ぎ、抑えが多い
      防御率等の指標が優秀でも、投球回が比較的少ない中継ぎや抑えの選手が多く入りました。打者に比べて投手はモデルの精度もかなり低いのは、先発/中継ぎ/抑えと分業がかなり進み、一つのモデルで予測するのが難しいのかもしれません。
    • (打者)規定打席に達していない
    • (打者)長打率が高い
  • その他
    こちらの分析では、守備面での貢献は査定に含まれないため、その点もモデルの精度に影響しているはずです。

まとめ

色々限界はあるものの、資金面に難がある球団は、予測年俸からの下振れが大きい選手を中心に獲得してみると、割安でチーム強化が出来るかもしれません。

とはいえ、今回は正直やや脳死気味にエイヤでモデルを作っている感はあるので、次回はより精度の高い年俸予測モデルを作っていきたいと思います。上で記載した内容の全ては対応できませんが、以下を反映させて精度向上を狙っていきます。

  • 直近年俸を追加
    経年でのチームへの貢献度は基本的に過去の年俸に反映されていると考えると、過去数年の年俸を組み込むとかなり予測精度は上がる気がします。
  • 所属チームを追加
  • タイトル獲得有無を追加
  • 特徴量をより詳細検討(関連が低そうなものはきちんと除外)
  • モデルのパラメーターを真面目にTuningする

既に選手の2022年の年俸がバラバラ報道されている時期ではありますが、次回記事では改善したモデルで、2022年の選手の年俸を予測していきたいと思います。

ここまで書いておいてって感じですが、機械学習初心者ですので、お気づきの点等あれば何でもご指摘いただけると嬉しいです。

なんでISBに行くことにしたのか?

ISBに行くという選択はKelloggでも結構珍しく、交換留学の担当者からもYou’re so braveなんて言われたりもしました(私からするとインドよりアメリカのGun Violenceの方が余程恐ろしいですが、その点は言いませんでした)。では他の学生がどういったところに留学しているかというと、人気はヨーロッパのビジネススクールに集中しています。

ざっと募集倍率について聞く限り、交換留学先の選定は、学校のランク×Chill度合いの2軸で決まっている印象です。ランクの高いLBS、INSEAD、次いでIESEが人気で、あとは(アメリカ人視点を聞く限り)Chill度の高いスペインや南米のスクールは結構学生の人気を集めている印象です。交換留学は基本就活に関係ないですし、Kelloggを出てまでアカデミックに真剣に学びたいことがあるなんて人は稀なので、大体の人はバケーション感覚です。

一方で、私は交換留学先の学校のブランドなんて一切興味ないですし、そもそも交換留学は「世界中どこでも場所を選んで3ヶ月過ごして良いカード」なんていう、この先の人生であるか分からない最強のぶっとびカードだと思っているので、結構真剣に留学先は検討しました。

目的:インド人の考え方や文化を理解し、彼らと上手く仕事が出来るようになる

「Pureに面白そう」という点を除いて私がISBに行く目的を煎じ詰めると、インド人への理解を深め、彼らと良い仕事が出来るようになるという点に尽きます。

では、なぜインド人か?最近、会社を辞めてアメリカでフラフラしているらしいと聞きつけた、数名の友人(起業家)とZoomでキャッチアップするということがありました。どちらも起業初期は大変だったようですが、最近は昇り調子のようでした。そして、話を聞いた複数の会社がインド人のエンジニアを雇っていました。理由を聞いてみると、Computer Scienceを学ぶインド人の数は日本人の比ではないですし、所得格差もある中で、同じ金額で雇えるエンジニアのクオリティはインド人の方が格段に高いとのことで、まあそうなんだろうなという感触です。へー、と思ってちょっと調べてみたところメルカリもインド人を積極採用しているなんて記事も見つかりました。

自分自身がすぐ事業を立ち上げたりスタートアップに参画することを考えている訳ではないですが、MBAを通じていつかは自分で事業を立ち上げてみたいとぼんやり考え始めたところもあり、ISBに行くのが将来の自分の一番糧になると思い、交換留学を決めました。文化理解という点を除いても、「ISBで留学したことがある」というのがインド人との会話のきっかけになったり彼らの信頼を得ることに繋がることもあろうかと思います(昔、中国に交換留学したことに助けられることが人生で何度もあり、恐らく正しいという直感があります)。

そういえば最近Twitterでも米大手テックにも沢山インド人経営幹部がいるなんて話が盛り上がっていましたが、今の経営幹部が学生をやっていた90年代−00年代よりインド人留学生は相当増えているはずなので、今後インド人経営幹部の存在感は益々高まってくるとも思います。なんてことも踏まえると、10年−20年後に振り返った時に、ISB留学を思い出しつつインド人のビジネスパートナーと会話する、なんてこともあるかもしれません。

言語化してみると雲を掴むような漠とした理由だなと我ながら感じているところですが、中長期的な種まきとしては面白い経験かなと思います。本日はそんなところで。

Indian School of Business(ISB)ってどんなところ?

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12月の頭から3月まで、3ヶ月程度Indian School of Business(通称ISB)というインドにあるビジネススクールに交換留学することになったので、こちらの記事でISBがどんな学校か紹介させて頂きます。まだキャンパスに着いてすらいないのでISBの留学生担当や現地学生、また下記書籍等から得た情報をまとめたに過ぎませんが、結構興味深い学校ですので是非読んでみてください。

概要

  • 2001年に開学。当時のMcKinseyのグローバルヘッドであったRajat Gupta氏が主導し、インドに世界レベルのビジネススクールを創ることを目標に掲げ、設立。インドではIIT始め理系教育に重点が置かれているもののビジネス教育は世界に遅れを取っている、という危機感が背景にあったとのこと(どこかの東アジアの国のような話です)。
  • キャンパスはインド中部のHyderabadと、北部のMohali。かなりお金をかけて綺麗なキャンパスを作ったようで、当時のKelloggの偉い先生は、ISB-Hyderabadに着いた時に、Kelloggの建物より良いやん、と感嘆の声を上げたそう(現在のKelloggはGlobal Hubという2017年に作られた建物に移ってるので、流石に遅れを取っているとは思いませんが)。
  • IIMと並んで、インドトップのビジネススクールとの評価を得ている。IIMは学部生がそのまま入学することが前提とのことなので、欧米スタイルの職務経験を前提としたビジネススクールとしては、インドならISB、ということになっている様子。
  • 学費は欧米のビジネススクールよりは安いものの、授業料だけで年間で350万円程度。インドの平均所得が約18万円なので凡そ20倍。インド国内の富裕層、かつ学力面でも秀でた学生が集まっているものと思われます。
  • Kellogg、Whartonを当初のFounding Partnerとして設立している。Harvard等にも声をかけたらしいが、2校以上と提携するという点で折り合えず、KelloggとWhartonがパートナーになったらしい。どこか1校にPartnerを絞ると、Kellogg in Asia的な扱いになることを恐れ、複数校とのパートナーシップを推し進める戦略にしたそう。現在はLBSやMIT等、世界の錚々たるビジネススクールと提携し、各国からVisiting facultyとして講師を招いている。私が履修する学期の授業を見たところ、3割程度は海外のビジネススクールの教授が教えている模様(何故かNYU Sternが多かった)。日本も同じスタイルの学校を作ればもっと世界でReputationがある学校が作れるように思えますが、言語の壁もあるし、インドと違って海外で活躍する日本人は少ないだろうしで、色々制約もあるのかな。

Kelloggと比較した特徴

実態として、For Indianのスクールになっている

Class of 2022の留学生の数は僅か5名とのことで、一学年1,000人程度の母数で割ると、なんと留学生比率はたったの0.5%程度となる。コロナ影響も勿論あるが、例年でも海外国籍比率(含む実態はインド人という他国籍の人)は2%とかなので、大差ないと思われる。上記のISBの書籍を読んでも、国際化にPriorityを置いているようには読み取れなかったので、インド人にビジネス教育を施す、というのが学校の主眼になっている模様。日本人としてキャンパスを歩いていると目立ちまくるので、どこに行っても誰かに話しかけられ、勉強時間が削られるとの話を現地留学生に聞きました。

授業負荷が極めて大きい

聞いている話、正直Kelloggの比ではないぐらい勉強している模様。色んなスクールの話を聞く限りKelloggが特別緩い訳ではなさそうなので、ISBが世界一Academicが忙しいビジネススクールという説もあると思います。具体的な数値を挙げると、Kelloggだと10週間で120時間の授業時間が一般的(4コマ×30時間)、ISBは5週間で80−100時間(20時間×4−5コマ)がスタンダードらしい。授業外で講義ビデオを観る必要があったり、ほぼ必ず中間・期末試験があること、かつインド就活ではGPAが重要となる為インド人がガチってくるとの点を踏まえると、負荷2倍程度といって過言ではなさそう。先人たちのブログでも、寝ずに勉強したりと死にそうになっている様子が窺えます。

最後に

当初、私は中国のCEIBSに行くことを考えていたのですが、コロナ影響で外国人の受け入れが始まる見通しが立っていないとCEIBSの学生の方に教えてもらい、ISB志望に変更したという経緯があります(結果、未だに外国人は入れない模様で、CEIBSの方には感謝しかありません)。

ただ、ISBは調べれば調べるほど魅力的なスクールに思われてきましたし、日本人でISBで学んだことのある人間は数限られることから極めてユニークな経験になると思われ、結果的に良かったと思ってます。自分がなんでISBに行くことにしたのかという点は、次の記事でもう少し詳しく整理しておきたいと思います。