小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

なんでアメリカに残ることにしたのか

前記事まではアメリカ就活の方法論を書いてましたが、一応自分自身が何でアメリカに残ることにしたのか、という点も書き残しておこうと思います。この辺は一般論的な内容を羅列しても薄味な記憶に残らない文章になる気がするので、「こいつ何言ってんの?」って人が出るかもですが主観マシマシ、右脳全開の文章でいきます。

仕事の開始日が一番楽しみになる選択肢をとりたかった

インドからアメリカに戻り、最終学期が始まったというところで、日本に帰って仕事を再開するのがあんまり楽しみではない事に気づきました。色々インターンや内省を経てLogicalに考えたつもりで、自分はData Scienceが向いていると思って就活、オファーも頂いたのですが、帰国・仕事開始を思うとどうもテンションが上がらない。

1月からたまたまご縁あって香港のヘッジファンドインターンさせて頂く中で、改めて海外で外国人と仕事がしたい、また事業のFundamental分析は性に合っているとも感じたことから、香港中心に上場株投資の仕事を探し始めました。その過程でアメリカに残ることにした日本人や同級生とも話し、アメリカが一番Diversityがあり仕事のOpportunityも多いというところに立ち戻り、アメリカで日本株投資の仕事を探し始めた、というところが私のアメリカ就活のスタート地点です。

アメリカでのファンド就活が結局上手くいかなかったので、アジア近辺で雇ってくれるファンドを探すか、それともアメリカに残ることを優先するか、と考えた時に、1) 米国籍やグリーンカードを持たない自分にとって、アメリカから離れるのは不可逆的な決定との側面が強い一方、アメリカで暫く働いてからアジアで仕事を探すのは可能と思われたこと 2) アメリカでStrategy/Biz DevといったRoleであれば面白そうな仕事は見つかると思われたこと、の2点を踏まえ、アメリカ残留を優先したという経緯です。

こうして色々考えを行ったり来たりする中で自分について気づいたことは数点あり、小学生並の考えであると認識つつも書くと、1) 自分は海外で英語で暮らしているだけで幸福度が2割増しぐらいになる 2) 周囲の人が選ばない選択肢をとる、というだけでテンションが上がる天邪鬼な面がある 3) 3年後何をしているか分からない様な、不確実性の高い選択肢を好む、といった点です。

アメリカでのファンド就活が破綻したのが6月初、そこから急いで仕事を探した結果、7月末頃に幸運にも3社オファーを頂きました(2社はStrategy/Biz Dev、1社はAnalytics系)。不安がありつつもとてもワクワクしているので、自分にとっては正しい選択だったのかな、と今は思っています。

アメリカに残る他の(より打算的な)理由

「仕事の開始日が楽しみになる選択肢を選びたい」と言いつつも、ある程度の打算、計算はあり、中長期的に考えて、今日本に戻るよりも良いキャリアになるかな、と思ったのも理由です。今後Kelloggの説明会等に参加する時は、以下を話す気がします。

  1. 米国の労働市場の魅力
    キャリアに於いて給与・WLB・リスクは概ねトレードオフの関係にありますが、限界効用曲線を引いた場合、アメリカの曲線は日本からかなり離れたところにあります。アメリカと同様の給与を実現するには、日本ではWLBを犠牲にするか、リスクを取る、ということにならざるを得ないと思います。
    また、Post-MBAでキャリアを積んでいく上で、Job Marketの厚みも魅力的でした。日本に戻った場合はプロファーム or Techを中心とした外資の事業会社がMBA向けのRoleとして存在し、その後は内部で上がっていく or スタートアップに転じる or 起業、というPathになるかと思います。一方、アメリカの場合は大企業含め多くの会社にMBA後のStrategy/Biz Dev Roleがあり、IndustryやRole、働き方の面で、日本よりかなり幅が広くなる点は、魅力的でした。
  2. 米国でのリーダーシップ経験、英語力、米企業の戦略についての理解
    MBA界隈という日本人の中でトップレベルに英語が出来るコミュニティにあっても、米国人と伍していくだけの英語・文化理解がある日本人は稀です。アメリカ人と机を並べて、MBA Roleとしてアメリカ企業の中枢で仕事が出来るのは、5年、10年スパンでアジアに戻ることになったとしてもプラスになるのでは、と思いました。
  3. マイノリティであるが故の気楽さ、自己決定感の大きさ
    日本でMBA卒で生きていく場合のJob Marketのサイズとも関係しますが、隣接業界含め同世代は知り合いだらけ、誰が出世していて誰がどの程度稼いでいるか、周囲と自分を比較してしまうだろうな、と想像されました。自分は結構周りと自分を比較してしまう気質なのでSmall worldで過ごすのはストレスだろうな、と思いました。
    アメリカは日本以上の競争社会ではありますが、こちらでは私はより大きな水槽の中にいるマイノリティの一人に過ぎないですし、白人エリート層みたいな人はあまりに自分と違いすぎて、競争しようとさえ思いません。周りとの比較によって判断を歪ませることなく、自分の好き嫌い、得意不得意を踏まえて自分でキャリアを作っていきやすいのかな、と感じたのもアメリカに残る理由の一つです。
今後

MBA受験時どころか、半年前時点でも想像していなかった方向に進むことになったので、期待半分、不安半分というのが正直な心境です。5年後どんなキャリアプランを描いているんですか?とMBA界隈の後輩や友人に聞かれることもありますが、正直全然分かりません。1年後の短期目標はLay offされず生き残ること、中長期では投資 or 新規事業開発にタッチしていきたい+引き続きGlobalなキャリアを歩みたい、ぐらいが希望でしょうか。妻にもこちらで仕事を見つけてもらったり、アメリカで子育てしたりも、今残ってる大きな宿題になるんだと思います。大変なことも今後多いでしょうが、死ぬわけでは無いので、楽しみながら頑張っていきたいです。