小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

アメリカから日本の個別株を買う

Xのタイムラインで大変話題になっていたこちらの本、私も読みました。これは。。。。。

これまで、株式投資インデックス投資に限る、と思ってきました。『敗者のゲーム』とか『ウォール街のランダムウォーカー』等の名著を読んだのもあるんですが、何よりも大きいのがMBA時代のヘッジファンドでのインターン経験。ファンドの人たち、本当に起きている間はずっと株のことを考えているんですね。頭もめちゃくちゃ切れる人ばかり。更に言うと、個人投資家よりも情報がある(機関投資家やアナリストオンリーの決算説明会、有料のツール、セルサイドのアナリスト等々)。これは、個人で片手間でやって勝てる訳がない。安い手数料で市場平均がとれるなら、万々歳ではないかと。

そんな中で読んだ清原氏の本ですが、めちゃめちゃ感銘を受けてしまいました。哲学的な部分だけではなく、具体的にどう投資していたか、という実際に手が動くところまで教えてくれていますし。

そして何より、投資は趣味として悪くない。良い趣味の類型の一つに、「歳をとるほど上手くなる」という点があると思います。例えばゴルフなんかがこれで、70歳がアメフトを大学生とやると死んでしまいますが、ゴルフなら勝てる可能性もかなりあるのではないでしょうか。投資も同様で、若い人に勝てる可能性は十二分にあるでしょうし、種銭が増えると出来ることも増えるはず。爺さんになってからも社会と関わる一つの活動として、個別株投資はなかなか良さそうです。

前置きが長くなりましが、上記経緯でアメリカから日本の個別株を買いたくなったので、実際にやってみた(正確にはやる前々夜)というのが本日の記事です。特定銘柄やサービスの利用を薦めるものではないので、当然ながら投資は自己責任でお願いします。

Interactive Brokersから日本株を買う

日本の株を買いたいと息巻いて日本語・英語でインターネットで情報を探しましたが、見つかったのはETF投資信託ばかり。そんな中唯一見つかったのがInteractive Brokersという会社です。

なんだこの会社は、聞いたこと無いけど大丈夫か、と思い検索してみましたが、ナスダック上場銘柄、時価総額452億ドルの大企業でした(3/15時点で時価総額2.88兆円の野村證券より大きい)。多分大丈夫そうということで口座開設に移ります。

口座開設から投資までの流れはざっくり以下。

1.口座開設

Margin Accountで最初作ってしまったけど、レバかけたり空売りする予定はないのでCash Accountに変更しました。どっちでも良いとは思います。

2.設定から、Japanese Stockに投資するPermissionをとる

3.ドルの銀行口座を接続し、入金

Cash Accountだと着金を待たなければならず、4営業日もかかってしまい少し後悔。

4.入金したドルを円転

5.株を買う

以下のYoutubeが参考になりました。

投資方針

ここからは素人がどうやって株を買ったかという与太話です。清原氏の本を参考に、以下で銘柄をスクリーニングしました。バリュー投資といいますが、PERはざっくり「利益に対し株価が安い」銘柄、ネットキャッシュ比率は「資産負債に対して株価が安い」銘柄を見つける為にやっているとの理解。Xで見かけた、以下ツールがスクリーニングに凄く便利で、時短出来ました。

TDnetSearch |東証の適時開示情報を検索

1.PER10倍以下

等比数列からすると、長期金利2%の前提で、PER=10だと毎年8.2%の減益織り込み。利益に対して株価が安い可能性が高い。

2.ネットキャッシュ比率0.6以上

ここでは、ネットキャッシュ比率=(流動資産+70%×投資有価証券ー負債)÷(時価総額)と定義。ネットキャッシュ比率が1を超えると、換金性が高い資産を全て売って負債を返し、そのまま会社を解散してくれても利益が出る、という状態。より広く使われているPBRは固定資産を実際簿価で売れることは無いため、割安とは限らない、というのが清原氏の指摘でした。

3.小型株

ここでは小型株を、時価総額500億円以下と定義。この規模だと証券会社のアナリストや機関投資家がフォローしないため、割安な株が放置されている可能性が高い、との見立て。

4.営業利益が過去3年間ある程度安定

これは自分が勝手に含めた項目ですが、1のPERの話が一過性でないことの一応のチェックとして含めました。

5.東証上場銘柄

1〜4で検索すると、名証上場銘柄も複数出てきて投資したかったのですが、Interactive Brokersからだと投資できない様で、断念。

その他、清原氏の投資法では、経営者のクオリティや競合の状況、その会社のコアコンピテンス等も分析するのですが、自分がやっても徒労に終わりそうなので省略。上記の基準でヒットした銘柄を、機械的に10銘柄投資することにしました。ただ、それだと後々勉強にならないので、パフォーマンスを振り返る時の参照用として、投資時点で以下をメモしておきました。

  • 過去1年の株価上昇率
  • 過去2年の売上成長率
  • 業界
  • 出来高
  • 経営者の経歴
  • 株主構成
  • その他気付いたこと

そうして出来たのが以下ポートフォリオ出来高が少ない銘柄もあるのであまりにプライスが悪い場合は断念するかもですが、来週日本市場が空いたら取引実行予定です。

基本的には3年とか5年ぐらいは持つつもりで、株価が3倍とか超えて上昇しない限り売らない方針でいきます。今後は毎月の振り返りにも含めて、日経平均株価やS&P500とのパフォーマンスを比較していきたいと思います。