小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

働くという観点で、アメリカ比でのカナダの印象

Twitterには書いてますが、一昨日から2泊3日、トロントに旅行に来ています。国を跨ぐとはいえ飛行機で1時間半、DCから西海岸に行くよりも距離的には遥かに近いです。個人的には、MBA受験やコロナを跨いで、大変久々に新しい国を訪れたので雑感をまとめておきたいと思います。アメリカと比較した違い、という切り口で見ていきます。

といってもカナダもアメリカも北米の英語圏、2カ国はとても似ていますが、唯一感じる大きな違いとしては、人種構成です。アメリカの中ではかなりアジア系の比率が高いNYと比較しても、トロントではアジア系の比率が高く、黒人やラテン系の比率が小さいです。

Fact Sheet 9: Ethnic origin and visible minorities | 2016 census highlights  | ontario.ca

Fact Sheet 9: Ethnic origin and visible minorities | 2016 census highlights | ontario.ca

Hispanics closing in on whites as NYC's largest racial group

カナダの移民政策

この辺、国の移民政策と関係がある部分なので、もう少し掘り下げてみます。ググっただけですし、アメリカについては自分個人の経験がありますが、カナダについては一介の旅行者に過ぎませんので悪しからず。

カナダの移民政策で気になった点

  • eTAを活用すれば、ビザなしで6ヶ月まで滞在可能(アメリカは90日)
  • ワーホリの制度が存在(アメリカには無い)
  • 留学生に対して、3年間、仕事がなくても滞在可能なビザが出る
  • 永住権の取得が相対的に容易
  • アメリカと比較してオポチュニティが少なく、MBA卒としての仕事を得ることは容易ではない

上記を見てきて、アメリカでも高度な専門性を有する人材、また高額な投資が可能な人材を掬い上げるプログラムは存在するので、大きな差分は社会階層の低い部分での移民政策でしょう。ここからは私の想像も入りますが、アメリカの場合、国境の壁建設が政治イシューになる程に、中南米からの不法移民が大変に多くこれにアジアから押し寄せる移民、そして国内の低所得者層を加えると、低スキルな労働力がふんだんにあるのが特徴です。一方、地理的にラテン諸国からの移民が少ないカナダでは、低スキル労働をカバーしてくれる移民がアメリカ比でかなり少ない。そこで、ワーホリや留学生ビザ経由での就労の敷居を低くして、ブルーカラーの仕事をやってもらおう、という話なんだと想像しています。

移民はカナダでホワイトカラーの仕事を取るのは困難、との指摘もあります。フォロワーの方からのコメントでは、アメリカに比べてOpportunityが限られるため、仕事を得る点で競争が厳しくなるとのことでした。

Toronto大学のMBAの方のブログでも、その点記載はありました。そういえば、KelloggにBainのTorontoオフィスに就職したカナダ人同級生がいたのですが、カナダのスクールだと競争が一層厳しくなると思い、コストは上がるがUSのトップスクールに来た、と話していました。

また、業界によってOpportunityの偏りも大きい印象です。金融都市トロントを抱えること、また豊富な資源があることから、金融や資源ビジネスはOpportunityがありそうな一方で、その他はアメリカに比べると限られるような印象です。以下、カナダで人気の就職先トップ10の内、カナダ企業は金融2社、航空1社、公的機関1つでした。

都市別の給与を見ても、資源ビジネスが盛んなカルガリーやウッドバッファロー、金融のトロントが上位につけています。

上記踏まえ、移民の敷居が低いこと、また金融や資源ビジネス中心にOpportunityがあることから、働く場所としてカナダが魅力的に映る方も多いのかなと思いました。英語圏ですし、アジアコミュニティも強く、アメリカよりも治安や(トロントなら)交通の便に優るといったメリットもあるように思います。

参考リンク