小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

【MBA受験】エッセイ作成とネイティブっぽい英語にすることについて

自分が最も苦労したのがMBA受験の最重要パートであるエッセイ。MBA受験が日本の大学受験と決定的に異なるのがエッセイ/インタビューで、アメリカのトップスクールは学力が高いだけで、ビジョンが無い人間は容赦なく落としていきます。

私はMBA受験を通じて、自分がいかにself-awarenessが低く、主体的に人生やキャリアの選択をしてこなかったかを痛感しました。4月にTOEFLで110点獲得し、スコアメイクが完了したので比較的早くエッセイに着手できた訳ですが、実際にはエッセイに着手する段階になってエッセイの中身を一から考えている様では遅すぎます。逆に言うと、高いself-awarenessを持ち主体的なキャリア選択をしてきた人にとっては、エッセイ程コスパの良いアピール手段は無いはずです。

self-awarenessとは即ち、「自分が何をしている時が幸せか」を分かっているのか、ということです。自分を的確に理解し、キャリア選択を積んでいる人のキャリアには、一本のストーリーが出来るものだと思います。それは何でもよいのですが、例えば、アフリカで幼少期を過ごし貧困と社会不安を目にした経験から途上国開発に身を捧げたいと決意し、JICA→NPOというキャリアを歩んできた人と、何となく就活して振ってきた仕事を捌いてきた人ではスタートラインが全く違います。エッセイは過去のバラバラの点(経験)を線で繋いで一つのストーリーを紡いでいくプロセスですが、元から重要な点が繋がっている人が繰り出す話と、ほとんどバラバラの点に後付けで説明を付け加えた話では、admissionに伝わる迫力、説得力が全く異なってきます。

前置きが長くなりましたが、以下はキャリアについて真剣に考えてこなかった人間が、どんな風に足掻いてエッセイを作っていったのか?という実体験になりますので、どうぞご笑納ください。

ストーリー作成
  1. 子供の頃の写真や卒業アルバムを見て、どんな子供時代だったかを振り返る
    自分の考え方や人格のベースになる体験は意外に早い段階でしているもので、子供時代の出来事を思い出す中で、自分への理解を深めました。
  2. 在校生や卒業生の方からWhy MBA?やキャリアプランを聞く
  3. 幼少期から現在に至る迄の転機となる経験、決断を文字に落とす
  4. (煮詰まってきたら)人生やキャリアに関する本を読む
    ご参考まで、例えば以下の本を読みました。
    ・夜と霧
    ・ゴールドマンサックスM&A戦記
    ・メイク・マネー!ー私は米国投資銀行のトレーダーだった
    ・死の淵を見た男 吉田昌郎福島第一原発の五〇〇日
    ・好きなようにしてください たった一つの仕事の原則
    その他、Steave JobsのスピーチやTED Talk等々。

上記を材料にして、過去から現在の仕事に至る迄、大事にしてきた価値観と、これからどんな仕事に取り組んでいきたいかをエッセイとしてまとめていきました。もちろん一足飛びに出来たわけでは全くなく、エッセイの課題について考えてはEdに投げ、指摘を受けてはまた投げ、と繰り返し、自分のしがない人生を貫く一つのストーリーを作っていきました。

表現・構成

そうして出来上がった最初に書いたエッセイを読むとあまりの表現の稚拙さ(I would like toを連発する等)に眩暈がし、これでは話にならないと表現・構成を考え直しました。エッセイ特有の文体、語彙があるはずと思い実際の合格者のエッセイを探したところ、amazonで以下の本が見つかったので、隈なく目を通しました。同じことを伝えるにしても洗練された構成や語彙を使おうと、本を元に単語リストと、エッセイの展開をパターン別に整理してまとめました。

最後に、ダメ押しとして良心的な価格で英語を直してくれるScribendiというサービスを使い、ネイティブから見ても隙の無いエッセイを作る様にしました。

ここまで書いておいてという感じですが、正直この英語のブラッシュアップについては未だにやってよかったのか、やり過ぎたのではないかという後悔が残っています。こうして出来たエッセイはカウンセラーからも「Ivy Leagueの学生レベルの英語」との評価を受けましたが、それは決してポジティブな意味では無く、私のバックグラウンドに対して不相応なまでに英語が完璧すぎて、Admissionからcredibilityを疑われて落とされたのだ、という文脈で出てきた言葉でした。これを踏まえると、構成、語彙は多少は学んでも良いとしても、英語を綺麗に直し過ぎるのは考えものかもしれません。