小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

アメリカで働く中で組織の状況が悪いと、何が辛いのか

タイトルのまんまですが、今日は組織の状況が悪いことから生じる、辛い部分について書いていきます。率直に言って仕事で感じるストレスが日に日に増しており、言語化してカタルシスを得たいというのが主目的ですが、失敗は人の目に触れないように処理されるのは世の常。あまりオンラインで目にしない情報だとも思うので何かの参考になれば、とも思います。「アメリカでは」とか「日本では」とか、クソデカ主語で書いていきますが、主語のサイズは読み手の皆様が心の中で調整して頂ければです。

いきなり脱線しますが、最近Class of 2022のMBA卒でアメリカで働く人々と話していたところ、偶然にも全員仕事が苦しそうでした。卒業から2年が経ち新人扱いされなくなったのか、2年という時間が周囲との差を付け始めるのか、事業環境が悪化しているのか、その理由は定かではないですが。

前提

今のチームの状況は頗る悪く、私の然程長くない職業人生の中ではワーストだと言い切れるレベルです。2023年に部門のヘッドがクビになり、ジュニアも30%程度が解雇。今年に入ってからはチームメンバーの離脱が相次ぎ、1年前と比べてチームのサイズは3分の1になりました。当然、士気も下がりますし、プロジェクトの進捗も悪いです。

自分の対応

年末の段階で、決定的に状況が悪くなったと思い社内就活は開始していたのですが、今思えば切迫感が足りなかった様に思います。社内就活自体が初めてで勝手が分かっていなかったこともありますが、選り好みもあり結局インタビューしたポジションは一つだけ。オファー無しで終わりました。

今振り返れば、つべこべ言わずポジションを見つけ、異動しておくべきだった、と思います。仕事が進まない、Job securityが悪化するという分かりやすい理由もそうなのですが、それ以上に、他人の醜い一面を見ること、そして自分自身も醜い振る舞いをすることが大きなストレスになりました。

組織の状況に依らず、多かれ少なかれ、人は何かを我慢しながら仕事をしているものです。「この上司ちょっとイケてないな」「この仕事、時間かかる割に周囲に認められず割に合わないな」とかです。平常時ならこういった部分も愚痴でも言いながら飲み込んでしまうのですが、チームの状況が悪いと、上司やプロジェクトの選択が、自分のJob securityに直接的に跳ね返ってきます。「この上司とこのプロジェクトをやっても良いアウトプットが出ず、解雇の対象にされてしまうかもしれない」といった具合に。

するとどうなるか。平たく言うと、皆が政治的に動く様になります。誰と働きたい。このプロジェクトは嫌だ。自分の要望を通すために、権限者に働きかけるインセンティブが生まれます。「彼は仕事が出来ない」「彼女は部下の手柄を自分のものにしている」。ネガティブな話題が自分の周囲で増えてきます。日本でも楽しいものではないですが、非ネイティブのマイノリティという不利な身分で、政治ゲームをするのはメンタルに来ます。

日本の大きな会社と比べて何が辛いのか

まず辛くないところから書くと、誰かに理不尽に怒鳴られたり、長時間労働を強いられたり、ということはありません。アメリカで辛いのは、日本と違って、「やり過ごす」という選択肢が無く、主体的な問題解決が求められることだと思います。

チームや上司との折り合いが悪い時、日本の大きな会社では適当にやり過ごし、時間に解決させる選択肢があります。上司や自分の異動の時間軸はざっくりとは分かることが多いのではないでしょうか。いずれ来る異動を待っていると、希望に叶うものかは別として、勝手に行き先を会社が用意してくれます。更には、問題解決がなされずとも、余程のことが無ければクビになることは無いですし、メンタル事由で暫く休職して、元気になってから復帰、というケースも耳にします。

一方、アメリカでは、上司もチームも、自分で動かない限り誰も変えてくれません。今の上司とはやっていけない旨を証拠と共に上層部に訴えかけたり、異動先と面接して、自分の責任でポジションを取ってこないといけません。何もしなければ、仕事が無くなるかも、という恐怖と戦いながら。

特に悩ましいのが、チームの状況が悪い場合、時間を追うごとに異動の難易度が上がる傾向がある点です。チームの悪い評判が広がると多少の色眼鏡で見られる(今の仕事が嫌で動いてくるんだなと思われる)し、チームの混乱の最中で上司との関係が悪化した場合、異動先から上司に問い合わせが入った場合に異動を潰されるケースをよく耳にします。

最後に、これは完全に私の主観ですが、アメリカのオフィスは「明るくポジティブに振る舞うべき」というSocial Pressureが日本より強く、これがチームの状況が悪いとしんどいと感じることが増えます。不満タラタラで異動していくのが明らかなのに周囲への感謝を述べるのを見ていると、シニカルな気分になります。

今後の対応

短期的には、一刻も早く異動先を見つける必要があります。6−7月、毎週新しいポジションで2件以上はネットワーキングするとして、ネットワーキング20→インタビュー5→オファー1というイメージで進める。この際、ポジションは余程のFitが無いと思わなければOK。

中長期でのTakeawayとして、チーム選びと上司選びの重要性を感じています。

チームは、安定性を考えるなら会社の稼ぎ頭たるCore Businessの方がベターでした。また、社内での異動可能性を考えるなら、機能軸で定義されたチーム(…領域でのMarketing、みたいな)の方がベター。社内の他の組織でコピペして仕事出来る専門性があった方が、異動がすぐ決まります。逆に、戦略もマーケティングも営業支援も、みたいな焦点がぼやけているチームは、よりRelevantな経験を持つ他の候補者に劣後しがちです。上司選びは周囲に評判を聞くのは大前提ですが、定量面ではやはり出世スピードを確認するのが一番良いと思われます。