小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

職種の強さと昇進について

最近パキスタン人の同僚と仲良くなり、キャリアについて色々考えさせられることがあったので、備忘も兼ねてまとめておきます。彼はMBA卒直後から数年に渡り今の会社に勤務しており、とてもスマートかつ情報をシェアしてくれる、素晴らしい人物です(特に「情報をシェアしてくれる」人に出会うのは容易ではない)。

職種の強さ

入社暫く経っても会社を離れていない理由を彼に聞いたところ、Business Analystが回している会社だから、というレスが返ってきました。今現在社内を見渡すと日本でいう部長、本部長クラス以上の大半がBusiness Analystの職種の人々(補足:彼も私もこの職種)。それ故に仕事でインパクトが出しやすい、昇進していくPathが見えている、とのことでした。

この点、Big TechやFintech企業に転職していく人の中には転職後苦しむ人もいると彼は言います。会社によってEngineerが強い、PMが強いという差異がある中で、長期のキャリアを考え直すことになる人がいると。

どの職種に会社として比重を置くかは業界やトップの思想に依るのでしょうから、それ自体の是非を云々言うものではありません。が、中長期のキャリアプランを考える上で、会社選びの際に頭の片隅に入れておいても良い要素な気がします。

給料面

一方で、社内でのパワーバランスと給与水準は必ずしも一致しません。というのも、流動的な人材市場に於いて、職種の給与は市場水準で決まる側面が強いからです。2023年のアメリカに於いて、テック周りの企業で多くの場合はエンジニア>PM>その他、の図式が成り立ちます。

この職種に応じた差異はタイトルが上がる程大きくなっていくので、キャリアを進めるに連れて一層広がっていく傾向があります。時たまSNSで見かける「アメリカで…万円稼いでいる」と羽振りが良さそうなアカウントに、エンジニアやPMの人が多いのはそう言った背景があります。

もちろん個別に見たら異なる事例はあるでしょうし、どんな職種であろうと周りをぶっちぎって爆速で上がっていける程優秀であれば関係ないのかもしれませんが、ある程度大きな会社で2シグマに収まるぐらいの能力であれば大体間違っていない話だと思います。年齢を重ねる程に機会コストの観点で他職種への転換は難しくなるので、「アメリカでお金持ちになりたい」と考える若い人は、職種毎の給与カーブは気にした方が良い気がします。その他の職種なら、まさにサムアルトマンが言っていた通りです。

The biggest economic misunderstanding of my childhood was that people got rich from high salaries.

You get truly rich by owning things that increase rapidly in value.

その上で、昇進についてどう考えるか

昇進しても金銭面でのアップサイドはそこそこ。子供も出来て生活費が上がって相殺されるぐらいなら、そんな必死に昇進に向けて頑張っても仕方ない、というスタンスを取ることも考えられます。自分もこの様に同僚に話したことはありますが、これは小中学生がテスト勉強全然してないと周りに言って保険をかける様なものだったと振り返っています。現状の結論としては、金銭面を度外視しても、昇進は目指すだけのメリットがあると捉えています。

  • 単純にその方が仕事が楽しい

昇進する勢いで仕事をして、ハイパフォーマーとなる方が仕事は面白いと思います。自分の発言で意思決定される場面が増える、面白いプロジェクトに携わりやすくなる、周囲からの協力が得られやすい、そして出来ることが増えて成長が実感できる等々。

  • ダウンサイドリスクが抑えられる

パフォーマンス事由でクビになるリスクが低下しますし、昇進している人程外部で面白い仕事の機会も取りやすいでしょう。

  • エゴの問題

周囲が順調に昇進を続ける中、「自分は昇進興味ないから」と言い続けるのは、エゴの問題で難しい気がします。この点は本質的ではないですが。

ということで、当面は出来る限り良い仕事をして昇進目指して頑張っていきたいと整理しています。一方で、経済的には勤め先に過度な期待をせず、給与所得以外で純資産を増やす努力も大事だと感じています。長期で関心を持ち続けられそうな、不動産と出版について、今の所手を出したいと思っている次第です。