小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

アメリカのサウナ文化:デトロイトで戦前から続く個性派サウナ×2を訪問

さて、久々のサウナ記事です。

以前アメリカ各都市のサウナをGoogle mapで調べていた時、デトロイトのサウナが異彩を放っていることに気づきました。こちらがそのHP。

Home | Southfield Family Sauna & Tub

Enter a stranger. Leave a friendという思想を感じるメッセージ、謎の白熊や太陽のインパクトに、これは普通ではないなと察知しました。Google mapのReviewを確認しに行くと、「素晴らしいフィンランドサウナ」とのコメントあり、それもまた興味を掻き立てました(過去書いた通り、アメリカのPublic saunaの大半はRussianかKorean)。ということで、4月も後半となり中西部の寒さも和らいだところで、デトロイトサウナツアーを決行してきた、というのが本記事です。

Southfield Family Sauna & Tub

店につくと、Patrickと名乗る肩の力が抜けた物腰柔らかなおじさんが迎えてくれました。なんとここは今日本でも流行りの個室サウナのスタイル(6つ)で、その他に2つだけ浴槽付きの大きめの部屋が予約できる、とのことでした。驚いたのが1942年の創業とのことで、もしかしたらこれが現存する世界最古の個室サウナでは?との疑問を持ちました。1回20ドルとアメリカにしては良心的な価格で、個室経営で人も捌けないとすると商売大丈夫なの?と失礼な質問をしてみたところ、Moneyとかじゃないんだよねーと、どこまでも肩の力が抜けたおじさんでした。

さて、肝心のサウナ。サウナ室は2畳程度の極小ですが、1人だと丁度良いぐらい。水風呂は無いですが、年季の入ったシャワーからキンキンに冷えた冷水が出ました。シャワー後、Honeywellのサーキュレーターの風を浴びながら整うスタイル。

Patrickから、ロウリュウの時水を入れすぎると部屋が狭いので尋常じゃなく室温が上がるから気をつけろ、と念押しされた通りで、ストーブに水を掛けると蒸気が直撃、凄まじい体感温度の上昇で一気に発汗します。

コンパクトな空間ではありますが、サウナ→冷水浴→外気(サーキュレーター)浴の方程式を思う存分決められる、素晴らしいサウナでした。Patrikから、水分補給はCoconut waterがベストとの指導を受けたので、合間合間でココナッツを補給しつつ、バチバチに整ってきました。

Schvitz Detroit

Google mapでもう一つ見つけたSchvitz というサウナにも訪問してきました。

こちらは更に古く、1930年にオープン。1918年に、ロシア系ユダヤ人のコミュニティセンターとして建てられたビルを使っているとのことでした。店名がわかるものが見当たらないグレーの無骨なビル。中に入るにも鍵がかかっており、ベルを鳴らす必要がありました。東欧には行ったこと無いですが、世界史で見た神聖ローマ帝国ビザンツ帝国から想起する、少しDarkな、独特な雰囲気が建物内に漂います。

料金は1回40ドルとやや高め。曜日・時間帯によって男性専用・女性専用・男女共用(水着必須)と変わる点は要注意。

着替えて地下に降りて目についたドライサウナに入ると、白人男性・女性が水着姿で雑談に興じています。こちら、良いには良いんですが多少温度が低くパンチ力がやや足りないと思ってたところ、一回入った人たちは20分以上入ってた様で、長くゆったり過ごすスタイルのサウナの様でした。

多少がっかりして、もう一つの”Steam room”に入ると、実はこちらが本丸のようで、凄まじい熱気。Chicago SweatlodgeにあるTurkish Wet saunaに似てますがより熱気が凄い。サイズも大きく、座れる場所だけで詰めれば30人、部屋全体50人ぐらい収容できそう。大部屋ではありますが、ストーブの出力が異次元で、10m離れていても最上段に座っていると凄まじい熱気に当てられて、一気に発汗。たまらず外に出ると、小学校にあるようなプール(水温16−17℃ぐらい?)が目の前にあり、ここで泳ぎつつ熱を冷まします。その横の整いスペースが溜まり場の様になっており、皆酒飲んだりしながら語らう、幸せな空間があります。

すっかり満足して素晴らしいサウナだと思ってビルを後にした訳ですが、一段落して調べてみるとなかなか刺激的な過去があるサウナということが分かりました。まず、こちらの場所はかつてはPurple gangと呼ばれるユダヤ系のギャング集団がたむろしていた場所だった様です(無骨過ぎるビル、厳重過ぎるオートロックも納得です)。

The Purple Gang - Wikipedia

それより更にヤバいのが、以前は毎週の”Couple's night"という男女で参加するイベントにて、乱●パーティーが催されていた模様。詳細はエグいので記載しませんが、以下の2つ目の記事に詳しかったです(1つ目は、このサウナも新しく生まれ変わったよ、という記事)。

Detroit bath house the Schvitz gets a new life | Culture | Detroit | Detroit Metro Times

Hot and steamy | Culture | Detroit | Detroit Metro Times

2017年にオーナーが変わり、Sexualな行動は厳禁との方針を徹底したことで現在は健全化されている様です。今回、男女共用の時間に入りましたが、違和感のあることは全くありませんでした。

以上、デトロイトのサウナ2軒を訪問してきましたが、どちらも想像以上の個性派でした。クオリティは間違いないですので、近くまで行くことがあれば訪ねてみてはどうでしょうか。