小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

アメリカでは、頑張っている人の話に触れやすい

最近、移民に関連するポッドキャストをよく聴いているのですが、今日のは久々のホームランでした。

Immigrant Entrepreneurs: 79: Lily Roden turns side hustle into a successful wedding florist business without any experience on Apple Podcasts

エルサルバドルから移民してきた女性が起業に関するインタビューを受けているのですが、彼女の幼少期が凄い。ギャングが跋扈するスラム街に生まれ、そこから逃れる様にアメリカへ。本人は言語も分からないまま小学校に放り込まれ、母親は鬱病で倒れ、父親の少ない給料でギリギリの生活を続ける、という幼少期を過ごします。そこから再起、名門UCバークレーへの切符を掴み取り、起業に至るという、ハリウッド映画になりそうなAmerican dream話です。

陰がこの上なく濃く、光がこの上なく眩い国、アメリ

こちらのポッドキャストには特に感動したのですが、アメリカには似たような話が沢山転がっており、それが自分がアメリカという国が好きな理由の一つになっています。世界最強のOpportunity大国である一方でセーフティネットが脆弱な、良くも悪くも自分次第、好きにして、というのがアメリカ。身を持ち崩すとどこまでも落ちることになりますが、成功者が手にする富と権力は青天井。インドからも中国からもエルサルバドルからも南アフリカからも、その国のBest and brightestが押し寄せ、ビザや言語・文化の違い・文化の違い・貧困に喘ぎつつも上を目指すのがアメリカという社会です。

私見ですが、苦しみや葛藤の陰と、成功がもたらす光のコントラストが鮮明であるほど人のストーリーというのは味わい深くなるんだと思います。私の履歴書にしたって、幼少期死の淵に瀕した人の話は大体面白い。アメリカほど陰と陽のコントラストが鮮明な場所はなく、これほど良いヒューマンドラマが生まれやすい社会は無い、と言うことが出来るかもしれません。

ストーリーを愛するアメリカ人という人々

また、アメリカに住む人々も、人間のストーリーを愛しています。タイガー・ウッズが今尚人気を誇るのは、不倫騒動や依存症からのカムバックという、彼のライフストーリー無しには語れないでしょう。「逆境→挑戦→失敗→再挑戦→栄光」というのは、『ロッキー』でも『幸せのちから』でも『ショーシャンクの空』でも愛される、ハリウッド映画の不朽の黄金フォーマットです。大学院を受ける時も企業を受ける時も、Origin、Passion、Purposeといった言葉に絡めて自分のライフストーリーを語れる人が良い結果を収めていきます。

自分は小さい頃から、数式や宇宙の神秘よりも、人間の物語に興味がある人間でした。ハリーポッターよりもショーシャンクの空。マトリックスよりもフォレストガンプやセッション。スポーツ選手も、孤高の天才よりも、何度も打ちひしがれながらも知力と努力と精神力で逆境を打開してきた、中日の井端弘和選手、カープ黒田博樹選手、サッカーの長友選手といった、人間臭い面々が一番好きです。人間のストーリーを愛するという点においてアメリカ人に共感できるという一点に於いては、アメリカ向きだったのかもしれません。

さてさて、落とし所が段々自分でもわからなくなってきてますが、今回の話は「どんな人がアメリカ向きか」みたいな議論で、一つの観点になるかもですね。自分の人生について熱い思いを持っている人、人の人生について熱い話を聞きたい人、そんな人を包み込む、アメリカというのは懐の深い社会なのであります。

今日はそんなところで。