小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

日本の高校生の留学、奨学金周りについて調べてみた

Twitter、ブログで何度か言及してますが、昨年末辺りから地元の高校生を対象とした奨学金が出来ないかと動いています(そんな大した金額ではないですが)。良い感じで進捗しているのでもう少ししたらどんなことをしているか書くつもりですが、本日はその市場調査というか、高校生の留学・奨学金周りの状況について調べた結果を書いていきます。高校生の奨学金についてまとまった情報源は少なく、手前味噌ですがそこそこ網羅的に書いたつもりなので、現役高校生の方や保護者の方に届くと嬉しいなと思ってます。

高校生の留学の状況

ざっくり状況が分かるのはこちらのトビタテ!留学JAPANの記事でした(元になってる文科省の調査についても貼っておきます)。

高校生の留学者数は増加トレンドにあり、2017年は46,869人に達した様です。2008年から10年弱で1.5倍以上なので、結構なペースで増えています。コロナで留学者数は一旦落ち込んでしまっているのは想像に難くないですが、2023年からはReopeningムードの中で再度留学が増えることを期待したいところです。

上記の数字をパーセンテージに直すと、高校生の海外留学率(長期・短期合計)は全国平均で1.43%。高校生一学年100万人ぐらいなので、ざっくり46,869÷3÷100万人、みたいな計算でしょうか。1.43%でも少ない印象ですが、更にこれを3ヶ月以上の留学に絞ると、0.1%程度と、ごく僅かな人しか行けていないのが現状です。

都道府県別で見ていくと、留学者数・率が高いのは京都・東京・大阪といった大都市が目立つ一方、下位には青森や島根、宮崎といった人口が少ない県が並ぶことからも、地方格差が存在することが浮き彫りになっています。一方、福井や滋賀の様に、小さいながらも高い留学率を誇る県もあります。

高校生が留学に行きたがっていないのかというとそんなことは無く、上記文科省の調査(526,324人!が回答)ところだと36.8%が留学に行きたいと回答しています。実際に高校の間に留学に行けるのは1.5%なので、興味があっても高校の間に行けるのは20人に1人いれば良い方、という状況です。

高校生を対象とした留学奨学金

留学に行ける高校生が少ない背景は、大学受験や部活や人間関係等様々に考えられますが、お金の問題は間違いなくあると考えられます。日本の平均世帯所得は564万円(2021年、厚労省調査)であり、ここから税金や生活費を差し引いた上で、数十万円〜数百万円に及ぶ留学費用を捻出出来る家庭は多くないはずです。ここで出番となるのが奨学金です。

高校留学の留学金 - Google スプレッドシート

上のリンクはお手製でざっと作ったスプレッドシートですが、Google検索でヒットした、高校生を対象とした奨学金をリストアップしてみました(高校留学のみで、大学進学の奨学金は対象外)。スタバで暴力的な眠気に襲われながら作ったので情報の正確性は保証できませんが、なかなかの網羅性だと思います。有名所の奨学金は多分抑えてますが、地方自治体が地元民に提供している奨学金等は取りこぼしがある予感があります。

こちらのリストから分かったのが以下です。

  • 派遣人数が確認できた奨学金を合計すると、898人。人数不明が12件あり、これを各5名と仮定すると、898人+60人 = 958人。ざっくり、毎年1,000人ぐらいの高校生が奨学金を得て海外に留学している。
  • 700人は文科省のトビタテプログラムで、こちらは金額も大きく圧倒的な存在感。
  • 奨学金の80%は全国の高校生が対象なので、奨学金を受けるチャンスという意味では地方格差は大きくない。
  • 金額判明分の金額合計は約18億円。中央省庁、民間企業スポンサーにものは金額の中央値が300万円前後と、支援金額が大きい一方で、社団/財団法人や地方自治体スポンサーのものは50万円程度となっている。

念の為ですが、この調査の外側にも公金で高校生を海外に送っているケースはあるとは思われる(以下とか)点には注意です。参加費を取りつつ、公金で一部助成していると思われるパターンは支援度合いが見えづらいですね。

東京都都立高校生対象留学支援 次世代リーダー育成道場

大阪府/2022年度 おおさかグローバル塾の受講生募集について【募集を終了しました】

留学・奨学金の状況からの示唆

3人に1人は留学に行きたいと思いつつも実際に行けるのは100人に1,2人という状況で、長期留学に至っては1,000人に1人と、高校生の留学を増やす余地はまだまだあります。数十万人単位の高校生が留学を切望する中、奨学金が出るのは1,000人程度なので、お金の面での支援が必要とされていることがデータから分かりました。

一方、私一人がが出せる金額は大きくと思ってましたが、地方自治体が出している金額を見ると「対象者は数名、50万円」みたいなパッケージが殆どなので、意外と個人が出せる金額とそんなに大差はない印象を持ちました。微力ながら多少は意味があるかな、と確認出来たのでちょっと勇気づけられました。

眠くなってきたので今日はこのへんで。