12月の頭から3月まで、3ヶ月程度Indian School of Business(通称ISB)というインドにあるビジネススクールに交換留学することになったので、こちらの記事でISBがどんな学校か紹介させて頂きます。まだキャンパスに着いてすらいないのでISBの留学生担当や現地学生、また下記書籍等から得た情報をまとめたに過ぎませんが、結構興味深い学校ですので是非読んでみてください。
概要
- 2001年に開学。当時のMcKinseyのグローバルヘッドであったRajat Gupta氏が主導し、インドに世界レベルのビジネススクールを創ることを目標に掲げ、設立。インドではIIT始め理系教育に重点が置かれているもののビジネス教育は世界に遅れを取っている、という危機感が背景にあったとのこと(どこかの東アジアの国のような話です)。
- キャンパスはインド中部のHyderabadと、北部のMohali。かなりお金をかけて綺麗なキャンパスを作ったようで、当時のKelloggの偉い先生は、ISB-Hyderabadに着いた時に、Kelloggの建物より良いやん、と感嘆の声を上げたそう(現在のKelloggはGlobal Hubという2017年に作られた建物に移ってるので、流石に遅れを取っているとは思いませんが)。
- IIMと並んで、インドトップのビジネススクールとの評価を得ている。IIMは学部生がそのまま入学することが前提とのことなので、欧米スタイルの職務経験を前提としたビジネススクールとしては、インドならISB、ということになっている様子。
- 学費は欧米のビジネススクールよりは安いものの、授業料だけで年間で350万円程度。インドの平均所得が約18万円なので凡そ20倍。インド国内の富裕層、かつ学力面でも秀でた学生が集まっているものと思われます。
- Kellogg、Whartonを当初のFounding Partnerとして設立している。Harvard等にも声をかけたらしいが、2校以上と提携するという点で折り合えず、KelloggとWhartonがパートナーになったらしい。どこか1校にPartnerを絞ると、Kellogg in Asia的な扱いになることを恐れ、複数校とのパートナーシップを推し進める戦略にしたそう。現在はLBSやMIT等、世界の錚々たるビジネススクールと提携し、各国からVisiting facultyとして講師を招いている。私が履修する学期の授業を見たところ、3割程度は海外のビジネススクールの教授が教えている模様(何故かNYU Sternが多かった)。日本も同じスタイルの学校を作ればもっと世界でReputationがある学校が作れるように思えますが、言語の壁もあるし、インドと違って海外で活躍する日本人は少ないだろうしで、色々制約もあるのかな。
Kelloggと比較した特徴
実態として、For Indianのスクールになっている
Class of 2022の留学生の数は僅か5名とのことで、一学年1,000人程度の母数で割ると、なんと留学生比率はたったの0.5%程度となる。コロナ影響も勿論あるが、例年でも海外国籍比率(含む実態はインド人という他国籍の人)は2%とかなので、大差ないと思われる。上記のISBの書籍を読んでも、国際化にPriorityを置いているようには読み取れなかったので、インド人にビジネス教育を施す、というのが学校の主眼になっている模様。日本人としてキャンパスを歩いていると目立ちまくるので、どこに行っても誰かに話しかけられ、勉強時間が削られるとの話を現地留学生に聞きました。
授業負荷が極めて大きい
聞いている話、正直Kelloggの比ではないぐらい勉強している模様。色んなスクールの話を聞く限りKelloggが特別緩い訳ではなさそうなので、ISBが世界一Academicが忙しいビジネススクールという説もあると思います。具体的な数値を挙げると、Kelloggだと10週間で120時間の授業時間が一般的(4コマ×30時間)、ISBは5週間で80−100時間(20時間×4−5コマ)がスタンダードらしい。授業外で講義ビデオを観る必要があったり、ほぼ必ず中間・期末試験があること、かつインド就活ではGPAが重要となる為インド人がガチってくるとの点を踏まえると、負荷2倍程度といって過言ではなさそう。先人たちのブログでも、寝ずに勉強したりと死にそうになっている様子が窺えます。
最後に
当初、私は中国のCEIBSに行くことを考えていたのですが、コロナ影響で外国人の受け入れが始まる見通しが立っていないとCEIBSの学生の方に教えてもらい、ISB志望に変更したという経緯があります(結果、未だに外国人は入れない模様で、CEIBSの方には感謝しかありません)。
ただ、ISBは調べれば調べるほど魅力的なスクールに思われてきましたし、日本人でISBで学んだことのある人間は数限られることから極めてユニークな経験になると思われ、結果的に良かったと思ってます。自分がなんでISBに行くことにしたのかという点は、次の記事でもう少し詳しく整理しておきたいと思います。