小市民ブログ

KelloggってMBAを出てアメリカで移民サバイバル生活をしています。サウナが好きです

在米日本人インタビュー:MBAを経て現地テック企業のPMとして働く

アメリカに来る前の経歴について、教えて下さい
  • 商社で営業を7年程度経験
  • 内5年はメーカー(国内)とTech(海外)に出向
  • アメリカにはMBA取得の為に来た
アメリカに来る前の海外経験はどのぐらいか
  • イギリス生まれ。幼少期に日本に帰国した為、英語の大部分を忘れた
  • 小学校時代にシンガポールで3年ほど日本人学校に通った
  • 大学時にヨーロッパに1年間交換留学
  • 商社で海外駐在3年
アメリカに来る前、英語はどれぐらい出来たのか
  • 不自由はなかったが、ネイティブ3人+自分1人とかは厳しかった。話を聞いていて、処理しきれないことがあった
  • 英語の発音とか、幼少期に習得した部分が残っている
  • 前職時代に出向していた東南アジアの会社には英語が堪能な人が多かったが、アメリカ人の英語とは違いがある。英語力を更に高めることをゴールにする場合、アメリカやイギリスのような国に行く必要がある。語彙・表現・スピードが異なる
  • 現在働いているテック企業だと、非ネイティブも多く、英語面が仕事で辛いとは思わない。アメリカ国内でも、英語の負荷は入る企業に依る部分が大きい
今現在はどんな仕事をしているか
  • テック企業でProduct Managerとして働いている
  • 製品の要件定義やProduct Roadmapの作成、パフォーマンス評価等を担当
なんでアメリカに来ようと思ったのか
  • 元々アメリカに来たかった訳ではない。過去ヨーロッパに住んでいた為、愛着があるし、ヨーロッパの街並みが好き。アジアに対しても愛着が強い
  • 働いていた会社にアメリMBAの卒業生が多く、MBAに行きたいと思った。2年制の学校に通いたいと思っていたこと、またMBAの機会でアメリカ行かなければ、一生行かない可能性が高いと思い、アメリカに来た
  • MBA後のキャリアとして、テック企業のPMを考えていた。前職時代はStrategy Roleとして顧客の要望をProductチームに伝えた時に、自分の意図とは異なる意思決定がなされた経験もあり、Product寄りの立場で仕事をしたいと思っていた
  • 上記背景から、アメリカでPMとしてインターンをした結果、オファーを獲得出来た為、そのままアメリカに残ることにした。円安が進行する環境下でアメリカで働くのは悪くないと思ったこと、また将来日本に帰るとしても、アメリカでの職歴は有利に働くと考えた。日本に帰国すると、アメリカに戻るのは困難になるので、その意味でもアメリカにまず残ろうと決めた
  • 元々PMの経験が無かったので、大きな会社でメンターシップやトレーニングが充実している会社で働きたいと思い、今の会社に決めた。会社として初めてPMをやる人を採用することに慣れており、エンジニア側からの理解もあると感じる
アメリカにはどんなビザで来たのか
  • F1ビザで渡航し、入社前にH1B当選
ビザで苦労することはあったか
  • H1Bではクビになると60日以内に次の仕事を見つける必要があることから、グリーンカードGC)を獲得したいと思っている。同じ会社内でTransferするにもビザの切り替え等が大変であり、転職しようと思ってもH1Bビザの人を雇う意向がある会社に縛られる等、制約が多い
  • 会社によってはGCのプロセスが止まっていることもある為、要注意。会社がGCの対応してくれる対象者も制約があったりするので、事前にリサーチ必要
日本と比較して、仕事についてどの様に感じているか
  • 会社の同僚と仲良くなるOpportunityが限られる。プライベート含めて仲良くなって仕事をやりやすくするのがアジアの文化だが、現職では同じ動き方がし辛い
  • ゴシップを語る相手がそもそも出来づらいが、他人の愚痴を言っていると自分が人事評価の場面で刺されるリスクもあり、発言には気をつけている
  • 会社で友人が出来にくいので、MBA経由で就職して良かったと感じる。MBA時代に、現拠点含めて米国各地に利害関係の無い多くの友人ができた
  • アメリカに来て、自分のキャリアを自分で作るというマインドセットになった。自分から主体的に動かないと、同じ仕事を一生やり続ける可能性が生まれる。前職の商社では、同じ仕事は最長3年ぐらいと分かっていたのとは対照的
アメリカで働く中で、どんな苦労を経験したか
  • 人間関係の面で難しさを感じることがある。自分の仕事のアピールをどうするか、よく頭を悩ませている。意識していないと、ミスだけ自分の責任にされる可能性もある。周囲には言語化が得意で、アピール上手な人が多い。自分も、簡潔に要点を伝えるスキルを高めたい
  • 分からないことを分からないと即座に認めるのは、アメリカではBestな対応ではないように感じる。自分の分かっていることだけでも、上手く説明できたほうが良い
  • 責任の所在を常に明確にすることを意識しており、証拠を残すことを徹底している。大事なことはメールに残し、会議は録音している
  • 人間関係は日本の方がやりやすかった面がある。飲み会等仕事外で同僚と関わる機会が多かったことと、自分も周囲も長期で働く前提で動いていたため、人間関係にコミットできた。アメリカでは、仕事外で関わる場が少ない上に、長期的に会社にコミットする、という考え方になりづらい
今後どの様なキャリアにしたいと思っているのか
  • 今後半年程度は今の仕事に注力し、ProductのIdeationからLaunchまでのサイクルをコンプリートしたい。PMとして明確な実績ができたら、社内での転職も検討したい。現在はB to BのProductを担当しているが、Consumer向けの製品に興味がある
  • 大企業で出世する以上に、好きなことに注力したい。Consumer向けの、自分自身が顧客になれる仕事をしたい
今後もアメリカに残るつもりか
  • 今後5、6年程度はアメリカ残るつもりでいる
アメリカで働く上で、考え方が変わったことがもしあれば
  • 何があっても大丈夫な様、自分のキャリアに責任を持とうというマインドになった。他方でMBAを経てアメリカで働く中で、真面目に働いていれば死にはしないだろう、とも思える様になった

在米日本人インタビュー:MBAを経て現地のヘッジファンドで働く

アメリカに来る前の経歴について、教えて下さい
アメリカに来る前の海外経験はどのくらいか
  • 幼少期に数年アメリカに住んでいた。高校も短期間アメリカに滞在
  • 大学時代にヨーロッパも経験
アメリカに来る前、英語はどれぐらい出来たのか
  • 幼少期+中高英語で勉強していた為、語学面での心配は無かった
  • 英語で仕事をするのはアメリカが初めて。MBAの前は、英語でのプレゼンや書類作成等は全くやったことが無かったが、大学院の課題を通じて学んだ
今現在はどんな仕事をしているか
  • ヘッジファンドで上場株の投資をしている。アジア株に投資するチームに在籍
  • 一日10時間から12時間程度働いている。ホワイトな仕事だとは思わないが、自由がある。マーケットが空いている間は仕事をしているが、それ以外の時間は、アウトプットさえ出していれば裁量を持って仕事が出来る
  • 日本の同業と比べると、恐らく労働時間は短い。裁量の度合いは会社にも依るが、アメリカの方が、韓国や香港、日本よりも自由な印象
  • 投資対象の規模は基本的に決まっており、新しい企業のソーシングはしない。Coverageが決まっている中で、企業の動向や業績、マーケットの動きを追いかける
  • 日々の仕事としては、投資のアイディアを考えるために、IRやCFOに取材を行い、会社のモデルを作る。その他、セルサイドのミーティングやカンファにも参加する
なんでアメリカに来ようと思ったのか
  • American Dreamを信じており、アメリカにはアップサイドがあると思った
  • いつか大学院に行きたいという思いがあった。大学院に来てみたところ、実際に働いてみたいと思った。日本の大きな組織も経験して良い面もあると思ったが、より自由で、規模が小さいアメリカの組織で働いてみたかった。また、金融の理論面等、マーケットの仕事をする上で、アメリカが最先端だと思った
  • 大学院に行きたいと思ったのは、大学時代の後半を就活に捧げた為、実質大学を楽しんだのは2年半。不完全燃焼感を感じ、自分の分野でハイレベル、グローバルな場で学びを深めたいと、学部生の頃に思い始めた
アメリカにはどんなビザで来たのか
  • F1→F1 OPT→F1 STEM OPTのルートで来ており、直近H1B当選したので、H1Bに切り替える予定
  • 出来れば、H1Bからグリーンカードの申請をしたいと思っている
ビザで苦労することはあったか
  • 年に1回ぐらいビザについて考えることを強いられ、心の余裕が失われていた
日本と比較して、仕事についてどの様に感じているか
  • 日本と比較して、全般的に調整コストが小さいと感じる。アメリカに来て日本の頃より小さい組織で働いているというのもあるが、チーム内での調整に要するコストが小さい。ヒエラルキーの程度が弱く、若手がAさんとBさんにお伺いをする、というプロセスが無い。PMがCIOと話す時も、CIOがPMの言い分を頭から否定することは稀で、意思決定が速く、若手にかかるストレスが小さい
  • 関係性がドライ。仕事での接点がないと、他の部署の仕事内容を把握することも少ない。日本にいた組織ではお互いが仕事内容や量を把握し、仕事が多かったら人を融通したり、ということがあった。そういった部署を跨いだ助け合いがなく、チームごとに独立して運営されている印象
  • プライベートの繋がりは皆無。40代、50代のアメリカ人で子供がいる人が多いことも背景。ジュニアの人数が少ない逆ピラミッド構造で、若い人が遊びに行くという場面も生まれない。コーポレートイベントは年2回。ホリデーパーティーと夏ゴルフコンペ(出席率2割)。ジュニアが多い投資銀行やコンサルとはカルチャーが違うと思われる
  • とはいえ、今後転職する時とか、一緒に働いた人はレファレンス等してくれるとは思うので、人間関係が希薄とは思わない。ただ、出張した時も現地集合現地解散。歓送迎会とかもなく、日本との文化の違いを感じる
アメリカで働く中で、どんな苦労を経験したか
  • Geographyのみならず、IndustryとFunctionも変えたので、Day1から仕事が出来ることを選考で証明するのが大変だった。モデルテスト等は、経歴さえ十分と思われれば、厳しくチェックされないこともある。実態としては、経歴強い人が入社後意外と出来ない、というミスマッチも発生する
  • 一回入社してしまえば、転職は比較的容易だが、最初に入るのが凄く難しい。学歴ではなく、職歴で能力を証明する必要がある。自分自身、同じ時に採用された、業界経験が2年ある人と比べて、長いプロセスだった
  • 入社後は、自分の意思決定範囲をどの程度持つのかについて、難しさを感じている。官僚時代は、職務上認められた領域を上回るのは2割程度ぐらいが限度。自分の領域の外に出ず、報連相する人が褒められる世界観
  • 今の職場では、自分の領域を200−300%広げないと評価されない。最初は何を相談するか、何を自分で決めてよいかという感覚を掴むのに苦労した。チームに入ってすぐの頃は相談を多くする様にしており、ミーティングのアレンジとか、出張の時に泊まるホテルをどうするかとか、保守的に細かく質問していた。3ヶ月ぐらい経過して、いちいち聞かなくて良いことになった。あまりにも聞いてばかりだと、仕事ができないと思われる
  • 今でも報告は頻繁にやっている。報告さえきちんとして大きく間違った意思決定をしなければ許される
  • 最初の3ヶ月、半年、1年で信頼を勝ち取るのが大事。信頼を勝ち取ることで、自分が判断できる裁量が大きくなる。最初に失敗すると何をやっても疑われる。働き始めは凄く仕事に時間を投じていた。この点、日本の組織とは時間の感覚が異なると思う
今後どの様なキャリアにしたいと思っているのか
  • まずはポートフォリオマネージャーになって、自分のポートフォリオを持ちたい。その後10〜20年というスパンでは、自分でファンドを経営したい。ファンドを立ち上げ、若い人を雇うことは、やりがいもあるし社会的にも意義がある。チーム運営・マネジメントの経験をしたい
今後もアメリカに残るつもりか
  • アメリカの労働市場に長期的にいたいと思っている
  • Compensationが高いことが大きい。最近の報道で、ロンドンとUSでは、金融業界で40%程度報酬が違うという記事も出ていた。金融の世界だと、アメリカかヨーロッパかアジアのどこかで働くことになるが、他の地域と比較して、特にBonusの差が大きい。もっと税金が安い都市もあるが、税金の差以上に、報酬の差が大きく、自分の感覚では2倍の差がある
  • また、自分の資産形成を考えると、アメリカは資産が守られている国と感じる。今後社会保障の負担が大きく増える可能性は比較的小さく、今後資産形成をしていく上での、将来の不安が小さいことは魅力的
  • 移民として暮らしやすいこともアメリカに住む理由の一つ。ヨーロッパや日本とは、移民が達成できる限界が違う。移民としての苦労はあるが、比較的少ないと考える
アメリカで働く上で、考え方が変わったことがもしあれば
  • 自分の仕事の透明性を高めること。周囲へのアピールでもあり、周りから何かで責められたときのディフェンスの意味もある。自分の仕事の過程・結論を見えるようにしておくことを意識しており、自分が2−3時間やったことのアウトプットを共有ベースで送っておく等、気をつけている
  • 仕事のモチベーションが凄く高くなった。頑張って働く必要性があるという面もあるが、仕事を頑張るインセンティブがある。日々頑張るとそれ相応のボーナスが得られる。一方で、クビのリスクもある。そういった環境では、仕事に対するコミットメントが高くなる
その他何か一言あれば
  • アメリカでチャレンジすることは凄く良いことだが、とても大変でもある。日本で東大や慶應を出て、就活して、大企業入って、というプロセスに比べるとスムーズにはいかない。日本で10社受けて1社受かるところ、アメリカでは100社受けて1社になることを理解し、期待値を調節する必要がある

在米日本人インタビュー:MBAを経て現地企業でStrategyの仕事をする

アメリカに来る前の経歴
アメリカに来る以前の海外経験
  • 小学生の頃に5年間、アメリカ在住。カリフォルニアとシアトルを経験
  • 大学の学部時代、半年間アイルランドに留学
アメリカに来る前、英語はどれぐらい出来たのか
  • 日常会話は帰国子女なので問題なし。英検やTOEICでも結果は出ていた
  • 一方、ビジネス英語は全然だと感じていた。英語で働いた経験がなかった為、プロフェッショナルとしての言い回しが出なかった。社会人としての一般常識、言い回しが欠けていた
  • 英語でのプロフェッショナルな環境には、MBAを通じて慣れていった。未だに仕事で苦戦することもあるが、渡米前に比べたら英語力は伸びている
今現在はどんな仕事をしているか
  • 自動車エンジンの会社でCorporate Strategyの職種として、1年7ヶ月程度働いている。社内コンサルの様な仕事と言える。ディーゼルエンジンからバッテリーへと動力源が変わる中で、どの様な分野に注力するか等を検討。その他、サプライチェーン関連ではニッチな部品の調達をどうするかや、コストの分析をした
  • チームの9割ぐらいがMBA卒。国がバラバラで9割がInternationalという、極めて多様性がある環境。15−20人在籍しているが、インドや中国、日本人等バックグラウンドは様々で、MBAの延長という感覚
  • 社内のキャリアとしては、2−3年Corporate Sterategyで働いた後、Product Managerになったり事業部の戦略担当、Corporate Development等に異動するパターンが多い。最終的に、事業部のGeneral Managerや、戦略部門のDirectorになるのが目標という人が多い
  • 自分自身は、まずは戦略という領域で専門性を磨いた上で、将来的にはGeneral Managerを目指したい。そこに至る過程で戦略だけではなく、事業開発とか、顧客に近い仕事も経験したい
今後どの様なキャリアにしたいと思っているのか
  • 日本に家族を残し、ビザの苦労をし、MBAの学費返済もまだ残っている。アメリカでしか得られない経験、バリューは何かと常に考えている
  • ゆくゆくはアメリカで起業して、自分の会社を経営したい
なんでアメリカに来ようと思ったのか
  • 幼い頃に住んでいて、自由な雰囲気を気に入っていた。親のお陰で良い経験が出来て幸せだった。高校生の時から、もう一度アメリカに戻りたいと考えていた
  • 社会人として外資系企業で働く中で本社から来る役員と接する機会もあり、日本とは全く異なるカルチャーを目にして、アメリカに行きたいとの思いが再び芽生えた
  • 幼少期の経験以外にアメリカに決めた背景として、ビジネスを学ぶならアメリカが進んでいると考えた。また、Tech企業の成長を見聞きする中で、チャンスが大きいと思った
アメリカにはどんなビザで来たのか
  • F1ビザ(学生ビザ)で渡米。STEM OPTで卒業後3年働くことができ、その期間会社のスポンサーで、毎年1回、H1Bビザの抽選に参加している
  • 未だにビザに当選していないため、来年のH1Bビザの抽選がラストチャンスとなる
ビザで苦労することはあったか
  • 1年半以上働いているのに、ビザ上は学生ビザであり、卒業後のトレーニングとして雇われるという身分に違和感はある
  • 来年のH1Bビザの抽選に外れると、最悪国外に出ないと行けない為、ストレスになっている
  • F1ビザのままでは、妻が働くことが出来ず、Single Incomeになるのもデメリット
日本と比較して、仕事についてどの様に感じているか
  • 英語で会議を引っ張っていったり、プロジェクトで新しい意見を提示すること等に苦労している
  • ディスカッションが多い仕事の為、バリューを出すことに難しさはある。反対意見が合った時に、ロジカルにスピード感を持って、相手を説得するのは難易度が高い。こういったスキルをマスターするまでに、数年は掛かりそうな感覚がある
  • ネイティブと感じる他の違いとしては、割り切り力。エンジニアと対話している時に、どの様に情報を取捨選択するかの線引き等、差を感じる
  • 今の仕事から、コミュニケーションの能力だけでも勝ち取りたいと思っている
アメリカで働く中で、どんな苦労を経験したか
  • 保険の仕組みがわからなかったり、クレジットスコアが最初は低い等、日本だと国や会社が面倒見てくれることが、自主性が求められる為四苦八苦した
  • 「次何をしたい」という主張を皆持っていて、カルチャーの違いを感じた。自分自身は控えめ、Shyな性格なので、カルチャーの違いに難しさを感じることもある
今後もアメリカに残るつもりか
  • 家族の意向も聞きつつになるが、今後もアメリカに残りたい
  • 努力して実力をつければ、それに見合う対価があるのがアメリカの魅力。スピード感があり、評価が公平。アメリカに残る大きな理由はキャリア面
  • MBA時代にアメリカ国内に友達が出来たことも大きい
  • 日本の企業文化自体は対応は出来るが、無理をしていた部分もあったと思う
アメリカで働く上で、考え方が変わったことがもしあれば
  • 遠慮しないことの重要性を学んだ。自分がやりたいことを上手く伝えていくのがアメリカ人。日本にいたときは、自己主張していくのが卑しいと思っていたが、アメリカ人は上手く伝えるし、受け手側も主張してくることを期待している
その他何か一言あれば
  • アメリカに移る過程で苦労することは沢山あるので、自分が何のためにアメリカに行きたいのかを、経験者の話も聞きながら、整理しておくことが大事

個別株のパフォーマンス(2024年3月)

今月から日本の個別株投資を始めたので、こちらのブログで月一でパフォーマンスを振り返る様にしていきます。投資銘柄の選定は以下記事参照ですが、PER10倍以下、ネットキャッシュ比率0.6以上、小型株(時価総額500億円以下)、営業利益が過去3年安定、東証上場、の5つです。

 

完全にビギナーズラックであるが、3/18に投資してから凄まじい上昇を見せている。7.63%の上昇は、同期間の日経平均株価(+1.58%)を大きく上回っている。円安を食らってしまっているが、ドルベースでも6.13%のリターン。どうでも良いけど、清原氏の投資手法をなぞっているので、ポートフォリオ名はKiyoharaにした笑

銘柄別では、岡山製紙日本ゲームカード、東洋ドライルーブ、遠藤製作所が10%を超えて上昇。下がった銘柄も、2%程度なので、小型割安株投資はダウンサイドが比較的小さく、アップサイドはとれる良い投資なのでは、と思い始めている。

OM-2と遠藤製作所はPER10倍を超えたけど、他はまだ10倍以下。

雑感

2024年の目標レビュー(3月)

3月分もやっていきます。

1.Core Businessの主要機能に異動する

→40点。月初のエントリーで書いた通り、異動しようと動いていたのは失敗に終わった。

引き続き社内のポジションについて話を聞きにいってはいるが、フルスイング出来ていないというか、自分の中に迷う気持ちがある。既存ビジネスを畳む方向感であることはクリアになっているのだが、その中で自分は新規事業の立案という比較的面白い部分にいる。また、組織再編により優秀なベトナム出身男性が近いところに移ってきた為、彼から得られる学びもある。そもそも、胸を張って語れる実績が無く、今いる場所でPromotionもしないまま他チームに移るのはどうなんだ、という思いがある。異動すると、知見や評判は一から積み上げていくため、出世の観点では振り出しに戻る。損切り出来ないままズルズル来てたら、株価が少し回復してきてどうしようか悩み始める、みたいな状況である。

月次のレビューは一応の意思決定をする為にやっているので今思うところを言語化しておく。

  • 今の部署で、今の仕事で結果を出し、Promotion出来るまで残る。

  • チーム運営について、改善点は大ボスに話す

  • ロールモデルとなる人物と定期でCheck inを行い、社内でのキャリアについて話す

  • 社内のポジションは、自分の関心領域にピンポイントでヒットするものが出た時のみ話を聞きに行く

2.Meetingのファシリテーションとプレゼンを卒なく出来るようになる

→85点。先月から本腰入れて進めていたリサーチ業務についてプレゼンを行い、かなり好評を得た。内容自体も良かったが、プロセスが良かった。

昨年末から全く進んでいない大きな論点について上司に任していても何も進捗は出ないと確信して、自らリサーチを提案

→社内のRight personを見つけて、沢山Callをセット。社内資料もかき集めて読み込み、論点整理

→調べた内容を資料に落とし込む(現状整理+提案)

→結局、自分が調べた内容が骨子となる

能動的に頼まれてもいないリサーチを始めて、社内の知らない人々から情報を得て、誰も進められていない論点を前に動かすことが出来つつある。

一方、社内でヒアリングを行う際にしどろもどろになってしまったことがあるので、反省しておく。

  • スライドをReviewする場合に、明確に質問が言語化出来ていない傾向がある。「このページを一緒にレビューする」みたいな雑な理解で会議に臨むと事故るので、「このスライドの…について聞く」という質問ポイントをノート等に言語化しておく

3.職場のSocial Eventに毎月1つ以上参加し、社内事情に詳しくなる

→0点。マジで何も出てない。仕事がある程度忙しいと、Socialやらねば、みたいな気持ちにも特にならない。来週はFun Eventが沢山企画されているのでサボらず参加する。今更だけど、今の会社は遊び系のFun Eventも業務時間内に実施されるので、前職とのギャップを感じる。

4.月に1回は家族で観光っぽいことをする

→80点。Kelloggの後輩夫婦も含めSt Patrick Dayのイベントに参加したのと、先週はDC桜まつりのゲストとしてきていた、森山直太朗さんのコンサートに行ってきた。

観光とはまた違うが、3月は人を家に招いたり、妻含めて食事系のイベントに行ったりと、アクティブな休日が過ごせて良かった。

5.奨学金を通じて地元の高校生の留学を支援する

→95点。今年の奨学生2名も無事決定。丁度今晩壮行会を実施する予定。あと、怪しい、手作り感溢れるホームページを作り直し、企業HPっぽいデザインのまともなサイトにすることが出来た(HPのデザインに凝ってそうな、MckinseyとBCGのHPを見ながら作った)。今年の奨学生にも、MBA界隈で世界で活躍するアラサーの人たちと話す機会を作れたら、将来を考える糧になると思い、色々想像を膨らませている。

一方、もう少し応募を増やしたい気持ちが引き続きあるので、今週末中に地元の新聞社・テレビ局にメールしてみようと思う。無視されても、特に失うものはないしね。

6.一度限界まで筋肉量を増やした上で、減量する

→65点。3/28時点で75.7kgと、700gの減少。2月に引き続きだけど、体重の減りが鈍くなっている。先週、健康診断があったのだが、今まで自分の身長は177cmだと思っていたが、181cmと、4cmも伸びていた。計測エラーにしては大きすぎるので、身長が大きくなっていることは間違いないと思われる。とすると、体重のゴールも少し上げては良いかも、という気持ちも出つつある。

7.移民や起業家の人生に焦点を当てたコンテンツを作る(移民テーマのサイト立ち上げ)

→75点。Streets of Goldという移民本を読んでみたが、とても、とても良かった。自分がWanna be移民という境遇にあることがきっかけだが、そもそも苦しい環境で何かを成し遂げるHuman storyが自分は好きなので、移民というトピックは情熱を持って関われるものだと感じる。

英単語企画が頓挫したことで少し夜の時間が空いたので、「アメリカで働く日本人のインタビュー」始めてみようと思う。とりあえず知り合いにコンタクトしてみた。そもそもインスピレーションを得たのは以下記事。

海外で働く体験談集:アメリカ編 | On Off and Beyond

5回続いたら、他の移民関連記事と合わせて、アメリカ移民のサイトとして作り変えようと思う。

8.日米以外の国1カ国、新しい州3つ、新しい国立公園1つ訪問

→60点。特に進捗はなし。強いて言えば、St Patrick's Dayで訪問したDC中心部のWharfが観光地っぽかったか。今週末はDC観光に充てたいと思う。

9. 過去からの大切な友人と最低1度はキャッチアップ

→85点。今月は結構色々あった。St Patrick、あとDC近辺の東大の会で会った方の送別会企画、Boothの知人がDCに訪問してたのでCatchupした等々。

10.月に5冊以上本を読む

→90点。結構読書が捗った一ヶ月だった。移民本のStreets of goldと、清原さんの『わが投資術』は傑作。読書の習慣は定着した様に思うが、継続的に面白い本を仕入れてくるよう、アンテナを張りたい。3月は以下を読みたい(Searching for my PB&J Sandwichは半分ぐらい読んだ)。

11.英語力改善

→70点。特に特別なことはしてないが、仕事で話す機会が多分増えている+洋書の読書量が増えた。発音学習も一区切りつけたので、暫くブレークスルーは無いような気がする。英語で人を招く機会を増やしたいなー。

12.英単語帳を出版する

→中止。見切り発車で動いていたが、ビザ上の整理に確信が持てないので、ビザが落ち着くまではやめておく。

何かで日の目を見る機会があれば良いのだけど。内省に使ってるこの記事は誰も見てない気がするけど、興味がある方がいれば、単語集+例文がまとまったスプレッドシートを共有しても良いかなと思っている。

13.アメリカでの投資について勉強する

→95点。タイトルを若干変更して、不動産だけではなく、投資全般とした。清原さんの本に大変感銘を受けて、日本の小型割安株投資を始めた。今後は、毎月のレビューを使ってパフォーマンスをモニターしていきたい。

不動産投資については、手元のCashがx万ドルになったら始めようと思っていたが、そのCashで他に面白い投資アイディア無いかなあ、と考え始めている。最悪0になっても良いので、投資自体のアップサイドやその後に繋がる経験値になるなら、検討しても良いかなあと。F1 OPT/H1BでもPassive Incomeは認められているので、面白いスモールビジネス等に投資するチャンスが見つかれば、検討したい。

14.アメリカの定番コンテンツに触れる

→75点。映画はやってないけど、March Madnessのブラケットに一応参加。アメリカ人とSports barで観戦という、アメリカ文化ど真ん中のことをした。St Patrick Dayも一応見てきたし。

15.自動車運転

→90点。丁度昨日、DMVに行って運転免許のExchangeの申請を完了。2週間ぐらいでアメリカの運転免許が来る予定だが、仮免許も受け取ったので運転が法的に可能な身分となってしまった。妻と運転練習を計画しないといけない。

その他の出来事

土日はサウナ総研での年次サーベイを進めていた。昨年までは英語翻訳担当みたいな感があったのだが、今年は質問項目の設計と分析にも関わり、良い経験が出来たと思う。マーケティングリサーチを行う場合の、質問設計のプロセスやスピード・金額感ってこんな感じなんだなあと、リアルに知ることが出来た。結果の公表は4月後半以降になりそう。

あと、奨学金で繋がった、地元の教育委員会から依頼があり、高校生向けに長めのメッセージを書く機会があった。こういう新しいタイプの依頼は楽しいことが多いので、今後も大切に取り組んでいきたい。

4月の楽しみなイベント

DCは桜の季節となり、気温も上がってきている。4月は友人を招いて自宅でBBQを開催する予定。土日は運転を練習しないといけない。5月後半までアメリカは祝日も無いので、暫くは自宅または近所で遊ぶ感じになりそう。

St Patrick's DayでWharfを訪問。混んでて飲み物ゲットするのにも並ぶので、来年は良いかな。。

書評:Streets of Gold: America's Untold Story of Immigrant Success

Freakonomicsで最近始まった移民シリーズに出演されていた、プリンストン大学の教授が書いたのが表題の本ですが、めちゃくちゃ良かったです。アメリカの歴史は移民の歴史と言いますが、辿ってきた歴史が日本と如何に異なるか、肌身に染みて理解できる一冊でした。

アメリカという国は、建国以来、何度も「外」の人間を受け入れ、その度に「アメリカ人」を再定義することを何度も繰り返してきた国であります。元々、大英帝国から渡ってきた人々(そしてその奴隷とされた人々)が「アメリカ人」だった訳ですが、今ではインドや中国、ラテンアメリカ等、世界中から移民を受け入れ、そしてその多くがアメリカ国籍を取得します。

ここに至るまで、何があったか。著者が受け持つ授業で、学生に「祖先はいつアメリカに来たか」と問うと、大多数は2つの期間を答えると言います。一つは1880年1920年、2つ目は1980年以降。この波の以前、以後で何があったかを捉えると、アメリカの移民の歴史についての見通しが良くなります。

19世紀以前

元々アメリカ大陸には土着のNative Americanの人々が住んでいた訳ですが、ここに移り住んできたのがイギリス人。そしてイギリス人は黒人奴隷の人々も連れてきました。

19世紀前半

アイルランドやドイツからアメリカに渡る人も増えてくるが、当時は蒸気船の登場以前でもあり、渡航は命がけ。

19世紀後半〜1920年(第一の波)

蒸気船が誕生し、大陸を渡るコストが次第に下がってくると、北欧、東欧、南欧へと移民の出身国が広がりを見せます。1900年時点では、東欧・南欧が全体の80%を占める様になります。この大量移民時代に終止符を打ったのが1921年のEmergency Quota Act。この法律が意図したところは、増大する南欧や東欧からの移民を抑制し、「元々のアメリカ人」であった西欧(+北欧)からの移民の割合を増やすこと。以後、1965年のNationality Actまで、アメリカへの移民は抑えられた状況が続きます。

1965年〜(第二の波)

アメリカが世界中から移民を受け入れる方針に転換したのが、1965年のNationality Act。現代アメリカを形作る、重大な法律です。ここで、国別のQuotaを撤廃、また受け入れる移民の数を約2倍にまで増やしました。その後1980年以降、中国やインド、ラテンアメリカからのアメリカへの移民が本格化します。

移民の過去と現在についての誤解

移民政策がアメリカで語られる時、著者はリベラルも保守派も、どっちも誤解が多いと言います。両者が共通するのは、「過去の移民は経済的な成功を短期間で成し遂げ、アメリカに上手く溶け込んでいったが、今はそうではない」という主張。リベラルは今の移民が直面する困難に着目して声を上げ、保守派は現代アメリカが受け入れる移民の教育レベルの低さや同化への意識の低さを問題視します。

しかしながら、実際にデータを見ると、今も昔も、移民は同じ様なペースで社会階層を上がり、アメリカ社会に同化していくことが分かります。過去のヨーロッパからの移民を追っていくと、移民直後に所得が低い仕事についていた人は、キャリア終盤でもアメリカ生まれの人に所得で追いつくことが出来ないのが一般的だった様です。移民として成功を収めた人はいる一方で、彼らの多くは所得が高いイギリス・ドイツを中心とした、移民当初で高所得のキャリアを選べた人でした。

実際、「アメリカンドリーム」として語り継がれる、大成功を収めた人は、恵まれたバックグラウンドであるケースが多く、eBay創業者Pierre Omidyar(父はジョンズ・ホプキンスの外科医、母は言語学のPhD)、Google創業者Sergey Brin(父は数学者、母はNASAの科学者)、Elon Musk(父はザンビアのエメラルド鉱山を保有していたエンジニア)等の事例を指摘しています。「移民」として取り上げられやすいのは上記の様な成功者であるものの、彼らは移民全体から見ると少数派なわけです。

著書では、ノルウェーからの移民が取り上げられています。20世紀初頭、貧困国であったノルウェーからはノルウェー社会の下層からアメリカに渡り、しばしばアメリカで母国の2倍の賃金を稼ぎ、ノルウェー帰国後はアメリカ型の民主主義や技術を国にもたらしました。母国よりは稼げるけどアメリカ社会での栄達は難しい、ただ母国に戻ると多くは成功を収め経済社会発展の原動力となる、というのが一般的な移民の姿だったようです。

アメリカンドリームは、子供世代で実現される

一方、多くの移民の子供世代は、経済的に大きな飛躍を成し遂げることが多い様です。所得下位25%で育ったImmigrant childrenが平均的な所得を成し遂げる確率は、アメリカ生まれの親を持つ家庭より高くなっています。それも、ナイジェリアやラオスグアテマラといった、所得が低い国の出身者でも、同様の傾向が見られます。

こちらは、私自身の肌感ともかなり一致しています。親の仕事をImmigrant childrenの友達に聞くと、Cleaningや飲食店の経営がしばしば挙がりますが、当人は有名校でMBAをとったりGAFAMで働いたりしています。また、Uberの運転手が、子供はペンシルベニア大でPhDなんだと誇らしげに語る、といった場面には今まで何度も遭遇しました。移民の親世代、小世代については、こちらのKorean Americanの方の動画が凄く良かったです。

なぜ移民の子供世代は経済的な成功を収めるのか。著者が指摘している1点目の理由は、移民が選ぶ都市。移民は通常所得が高く経済が伸びているエリア、NYやカリフォルニア、シアトル、今だとテキサスやフェニックス等に移る傾向があります。多くのアメリカ出身者は、LocalのCommunity、繋がりの中で生きていくことを選び、それはしばしば所得とトレードオフになりますが、移民の場合はフラットな目で経済的に機会が多い場所に移ることになる。そこで生まれ育つImmigrant childは平均的なアメリカ人よりも経済的に恵まれる可能性が高くなります。

2点目の理由として、親世代が英語や現地のネットワークの弱さ等、移民という立場故に労働市場でUnderperformする傾向がある一方で、子世代はそういった障壁から自由であることが指摘されます。ロシア人の科学者はアメリカでタクシー運転手として生計を立てることになるかもしれませんが、子世代はアメリカで教育を受け、親世代が成し遂げられなかった夢の仕事に就く可能性が高くなります。

移民の社会への統合の歴史

「昔のヨーロッパ系の移民は、アメリカ社会にもっと早く溶け込んでいた」という言説についても、著者は神話に過ぎないと指摘します。居住地での「統合具合い」を定量化すると、1920年でも2020年でも、移民は移民が多い地域を選ぶ傾向が同じ程度となります。1860年代、マサチューセッツ州のLowellやLawrenceに移ったアイルランド系移民、1880年代のSFの中華系、1910年のロードアイランド州のProvidence、そして1930年代のカリフォルニアやテキサスに移ったメキシコ系移民も、同じ様なバックグラウンドを持つ人達で身を寄せ合っていました。移民は、アメリカにいる年数が増えるにつれて子供にアメリカ風の名前を与える確率が高まり徐々に同化を進めていきますが、そのペースは過去も現代の概ね変わらないと指摘されています。

雑感

巷で言われる「アメリカンドリーム」について、正しい期待値感を教えてくれる本でした。また、今まで私は白人は「白人」という極めて大きなカテゴリーで捉えていましたが、彼らの中にも移民と統合の歴史があり、多様なバックグラウンドがあることを認識しました。Kellogg時代に良くしてくれたEvanston近隣在住の専業主婦の方はギリシャ系でしたが、「ブロンドヘアを持つ人の中には、私をOutsiderとして見る人もいる」と話していたことが、今になって腹落ちした感があります。Takeawayを雑にまとめると以下みたいな感じでしょうか。

  • アメリカといえど、何も持たない移民が社会階層を駆け上がるのは楽ではない
  • 来るなら、良い学歴・職歴を起点にしないと大きく稼ぐのは難しい
  • 何も持たない移民でも、子世代は大きく飛躍できる可能性が大きい
  • アメリカという社会は、200年前から「外」の人間を(様々な摩擦とともに)受け入れ、統合してきた歴史がある

移民でも楽に成功を収められる、という意味でのアメリカンドリームが存在したことは未だかつて無かった様ですが、現代アメリカは世界中から様々な階層の人間を受け入れ、他の国では無いOpportunityを提供する懐の深い国だと、再確認できました。最後に、この本のタイトルにもなっている、移民の引用を貼っておきたいと思います。

I came to America because I heard the streets were paved with gold. When I got here, found out three things: First, the streets weren’t paved with gold; second, they weren’t paved at all: and third, I was expected to pave them.

 

アメリカから日本の個別株を買う

Xのタイムラインで大変話題になっていたこちらの本、私も読みました。これは。。。。。

これまで、株式投資インデックス投資に限る、と思ってきました。『敗者のゲーム』とか『ウォール街のランダムウォーカー』等の名著を読んだのもあるんですが、何よりも大きいのがMBA時代のヘッジファンドでのインターン経験。ファンドの人たち、本当に起きている間はずっと株のことを考えているんですね。頭もめちゃくちゃ切れる人ばかり。更に言うと、個人投資家よりも情報がある(機関投資家やアナリストオンリーの決算説明会、有料のツール、セルサイドのアナリスト等々)。これは、個人で片手間でやって勝てる訳がない。安い手数料で市場平均がとれるなら、万々歳ではないかと。

そんな中で読んだ清原氏の本ですが、めちゃめちゃ感銘を受けてしまいました。哲学的な部分だけではなく、具体的にどう投資していたか、という実際に手が動くところまで教えてくれていますし。

そして何より、投資は趣味として悪くない。良い趣味の類型の一つに、「歳をとるほど上手くなる」という点があると思います。例えばゴルフなんかがこれで、70歳がアメフトを大学生とやると死んでしまいますが、ゴルフなら勝てる可能性もかなりあるのではないでしょうか。投資も同様で、若い人に勝てる可能性は十二分にあるでしょうし、種銭が増えると出来ることも増えるはず。爺さんになってからも社会と関わる一つの活動として、個別株投資はなかなか良さそうです。

前置きが長くなりましが、上記経緯でアメリカから日本の個別株を買いたくなったので、実際にやってみた(正確にはやる前々夜)というのが本日の記事です。特定銘柄やサービスの利用を薦めるものではないので、当然ながら投資は自己責任でお願いします。

Interactive Brokersから日本株を買う

日本の株を買いたいと息巻いて日本語・英語でインターネットで情報を探しましたが、見つかったのはETF投資信託ばかり。そんな中唯一見つかったのがInteractive Brokersという会社です。

なんだこの会社は、聞いたこと無いけど大丈夫か、と思い検索してみましたが、ナスダック上場銘柄、時価総額452億ドルの大企業でした(3/15時点で時価総額2.88兆円の野村證券より大きい)。多分大丈夫そうということで口座開設に移ります。

口座開設から投資までの流れはざっくり以下。

1.口座開設

Margin Accountで最初作ってしまったけど、レバかけたり空売りする予定はないのでCash Accountに変更しました。どっちでも良いとは思います。

2.設定から、Japanese Stockに投資するPermissionをとる

3.ドルの銀行口座を接続し、入金

Cash Accountだと着金を待たなければならず、4営業日もかかってしまい少し後悔。

4.入金したドルを円転

5.株を買う

以下のYoutubeが参考になりました。

投資方針

ここからは素人がどうやって株を買ったかという与太話です。清原氏の本を参考に、以下で銘柄をスクリーニングしました。バリュー投資といいますが、PERはざっくり「利益に対し株価が安い」銘柄、ネットキャッシュ比率は「資産負債に対して株価が安い」銘柄を見つける為にやっているとの理解。Xで見かけた、以下ツールがスクリーニングに凄く便利で、時短出来ました。

TDnetSearch |東証の適時開示情報を検索

1.PER10倍以下

等比数列からすると、長期金利2%の前提で、PER=10だと毎年8.2%の減益織り込み。利益に対して株価が安い可能性が高い。

2.ネットキャッシュ比率0.6以上

ここでは、ネットキャッシュ比率=(流動資産+70%×投資有価証券ー負債)÷(時価総額)と定義。ネットキャッシュ比率が1を超えると、換金性が高い資産を全て売って負債を返し、そのまま会社を解散してくれても利益が出る、という状態。より広く使われているPBRは固定資産を実際簿価で売れることは無いため、割安とは限らない、というのが清原氏の指摘でした。

3.小型株

ここでは小型株を、時価総額500億円以下と定義。この規模だと証券会社のアナリストや機関投資家がフォローしないため、割安な株が放置されている可能性が高い、との見立て。

4.営業利益が過去3年間ある程度安定

これは自分が勝手に含めた項目ですが、1のPERの話が一過性でないことの一応のチェックとして含めました。

5.東証上場銘柄

1〜4で検索すると、名証上場銘柄も複数出てきて投資したかったのですが、Interactive Brokersからだと投資できない様で、断念。

その他、清原氏の投資法では、経営者のクオリティや競合の状況、その会社のコアコンピテンス等も分析するのですが、自分がやっても徒労に終わりそうなので省略。上記の基準でヒットした銘柄を、機械的に10銘柄投資することにしました。ただ、それだと後々勉強にならないので、パフォーマンスを振り返る時の参照用として、投資時点で以下をメモしておきました。

  • 過去1年の株価上昇率
  • 過去2年の売上成長率
  • 業界
  • 出来高
  • 経営者の経歴
  • 株主構成
  • その他気付いたこと

そうして出来たのが以下ポートフォリオ出来高が少ない銘柄もあるのであまりにプライスが悪い場合は断念するかもですが、来週日本市場が空いたら取引実行予定です。

基本的には3年とか5年ぐらいは持つつもりで、株価が3倍とか超えて上昇しない限り売らない方針でいきます。今後は毎月の振り返りにも含めて、日経平均株価やS&P500とのパフォーマンスを比較していきたいと思います。